あのクルマの復活が遠因!? インドネシアで大人気の三菱ふそう・コルトディーゼルがキャンターになっちゃった!

遅ればせのEuro-IV

 ところで、インドネシアでは2017年にEuro-IV排ガス規制の導入を決定し、21年からトラック・バスに適用する計画だったが、コロナ禍の影響などもあって1年延期の22年となった。

 それまでのEuro-II規制から実に15年ぶりの新しい排ガス規制だが、これは同国で流通する軽油の品質とも関係している。日本では軽油の硫黄分が「10ppm以下」とされているが、インドネシアでは21年からようやく「500ppm以下」が全国統一規格となった。これによりEuro-IVが施行可能になったのだ。

 Euro-IV適合のコルトディーゼル改めキャンターでは、ディーゼルエンジンが4D34型から4V21型へ変更された。排気量はどちらも3.9Lだが、4V21型には電子制御コモンレール燃料噴射システムとEGR(排気再循環システム)の採用で燃焼が改善された。

 さらに軽油の硫黄分低減で導入可能となった酸化触媒により、排気中の黒煙も低減されるなど、大幅なクリーン化を実現させた。

 それ以外はコルトディーゼルとあまり変わらないのだが、商用車の世界的なトレンドであるコネクティッドが新たに導入され、「ランナーテレマティクス」と呼ばれるフリートマネジメントシステム(FMS)に対応している。

 クルマそのものの話にならないので面白みがいま一つのコネクティッドだが、人口と資源が多く、経済のポテンシャルの大きいインドネシアで、これがどのように活用されていくかは注目されるだろう。

コルトトラックはどうなった?

 ちなみに「コルト」ブランドの同国での始祖であるコルトトラックはどうなったか?

 まず、初代のT100型からその改良型T120型を経て、現行型はなんと81年デビューの1t積トラック「コルトL300」が40年にわたって現役選手である。

 しかもこのクラスで依然大きなシェアを有しており、さきごろキャンターと同じくEuro-IV適合モデルが登場した(L300は2.5Lディーゼル車のみ)。

 生産は17年までコルトディーゼルと同じ工場(KRM)で行なわれていたが、18年に三菱自工と三菱商事の合弁工場(MMKI)へ移管されており、取扱いも三菱小型車ディーラーのみとなった。

 現在、三菱ではコルトL300を単に「L300」と呼んでいるようで、こちらもいずれコルトブランドから脱却するのかもしれない。ただしキャブ外装にはいまもCOLTのエンブレムがある。

 実は、三菱小型車ディーラーでは1997年から2019年まで、L300より小さい(というか初代コルトトラックに近いサイズの)800~900kg積トラック「コルトT120SS」もラインアップしていた。

 T120SSは、スズキと共同開発したインドネシア市場専用キャリイ(三菱製1.3Lまたは1.5Lガソリンエンジンを搭載)の三菱向けモデルで、スズキの現地工場で生産されたが、キャリイの全面改良に伴ってモデル廃止となっている。

【画像ギャラリー】インドネシアで高いシェアを誇るコルトおよびコルトディーゼル(8枚)画像ギャラリー

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