同じトラック運送業でもその業界独自の決まりやルールがありますが、今回はアメリカのトラック業界に注目してみました。
PUNKさんは、かつては日本でトラックに乗っていましたが、今は憧れのアメリカで自分でトラックを所有するオーナーオペレーターとして日夜トラックを走らせています。
そんなPUNKさんに聞いたアメリカンルールは、意外や意外、日本より細かい決まりのオンパレードでした。
文・写真/なでしこトラッカーPUNK
*2024年12月発行トラックマガジン「フルロード」第55号より
まずは細かい法規があります
かつて会社の従業員であるカンパニードライバーをしていた頃は、上司に言われた通りに仕事をこなしていただけで、業界のルールとかはあまり知りませんでした。
オーナーオペレーターとなった今、私の立場は会社経営者ではあるけれども従業員は私だけ(笑)。
ルールというか、基本的にこの業界で「やらなきゃいけないこと」と「やってはいけないこと」のルールはFMCSA(米国運輸省連邦自動車運輸安全局)をはじめ、各種いろいろなサイトで調べています。
法規などは急に変わったりすることもあるので頻繁に目を通し、毎日来るトラック業界のメールマガジンなどにもアンテナを張りながら過ごすようにしています。
例えばどんなことかというと、私はカリフォルニア州に住んでいるのですが、他の州にはない独自の法規があったりします。
他州からカリフォルニア州に運んできた荷物、またはカリフォルニア州から他州に運ぶ荷物(Interstates=州間といいます)は、アメリカのどこの運送会社でもUSDOT(米国運輸省)の運転認可の登録番号があればOKですが、カリフォルニア州内で積んだ荷物を同州で降ろす(Intrastate=州内)には、それとは別の登録番号が必要です。
カリフォルニア州内ではDPF搭載車両以外は走れなかったり、5台以上を保有する運送会社はトレーラの両脇、もしくはアンダーにエアーフローの装備がついていなければ違法だったり、最近は排ガス規制で1年に1回の排ガスチェックや登録を義務付けられたり……。その他いろいろあります。
また、ほかの州では走った分の通行料を取る州などがあったりしてさまざまです。このような細かい決まりを一つでも疎かにすると、ペナルティーや罰金が発生したり、最悪の場合、営業停止などにもなりかねないので気を使います。
荷主の倉庫にも独自の決まりが……
荷主の倉庫などでも独自のルールがあります。集荷や配達先の構内でのルールで、ほとんど似たようなパターンですが、時々どこに行けばいいのかわからなくて他のドライバーさんに聞いたりする時も……。一度行って知っているところだと逆に聞かれたりします。
昨日行った砂糖工場でのルールは、まず入り口にスケールハウス(トラックの重量を計る台)があって、乗ったら下りて隣にある小さな掘立小屋に入り、積荷番号、名前、会社名、電話番号、トレーラ番号、プレートナンバーなど、コンピュータに情報を入力したらプリントアウトする(誰もいないので自分でやる)。
終わったらトラックを動かして何処かで待機し、順番が来たら電話がきて、どこのドア番号にバックアップするか指示されます。
積み終わったらまたスケールに乗って、プリントアウトした紙にあるバーコードをスキャンしてドアを閉め、シールをつけて出口の警備員にスキャンした紙を渡し、シール番号と伝票がマッチしているか確認できたら退場となります(汗)。
広い工場なのにサインも看板もなく、初めて来たドライバーは100%迷います(笑)。私は以前数回来たことがあったので今回は迷いませんでしたが……。
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