次世代FCモジュールとFCEVトラックの諸元
なお、次世代型FCモジュールの諸元は次の通りに公開されている(これは開発目標値であって、仕様等は予告なく変更されることがある)。
最大出力(Net) : 150 kW
出力電圧 : 450 – 850 V
最大効率(Net) : 59.8 %
FC冷媒 : Honda FCM専用冷媒
水素ガス組成 : ISO14687に準じる
供給低電圧 : DC24V
モジュール寸法 : W730 × D580 × H700 mm
容積・容積出力密度 : 300 L ・ 0.50 kW/L
重量・重量出力密度 : 250 kg ・ 0.60 kW/kg
環境温度 : -30℃ – +60℃
保管温度 : -40℃ – +60℃
最大標高 : 3,500 m
保護等級 : IP67相当
CAN通信規格 : ISO11898
通信プロトコル : SAE J1939 / Honda Hi-Speed CAN (選択可能)
通信速度 : 500 kbps
いっぽう、FCEVクラス8トラックコンセプトについても次の通り仕様が公開されている。FCモジュールの出力に注目すると、現行型の3機合計出力(234kW)を次世代モジュールは2機で超える(300kW)計算だ。
全長/全幅/全高 : 8,000mm / 2,400mm / 4,000mm (トレーラを含まないトラクタの寸法)
GCW(連結総重量) : 37,273kg (82,000ポンド)
最高速度 : GCW定積で時速70マイル(約112km/h)
航続距離 : GCW定積で500マイル(約805km)以上
FCモジュール出力 : 合計234kW(78kW×3FCモジュール)=約314hp
燃料タンク : 700bar高圧水素タンク
タンク容量 : 気体水素82kg
車両バッテリー : 120kWh高電圧バッテリー
水素燃料電池は大型商用車の脱炭素技術における本命と目されていたが、この分野をリードしてきた新興メーカーのニコラとハイゾンが2025年2月に相次いで経営破綻し、トヨタ製モジュールによるFCEV大型トラックを予定していたパッカーグループも製造開始を延期するなど各社が慎重になっている。
FCEVトラックが性能だけでなく価格面でも競争力を持つには、FCモジュールの生産コストを含めて全体的な商品力を向上する必要があり、ホンダの次世代FCモジュールにも期待がかかる。
【画像ギャラリー】Hondaの次世代FCモジュールと現行型のコンセプトトラック(14枚)画像ギャラリー
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