発掘! 幻の特装車アルバム 犬塚製作所のトラック今昔物語 初期特装車編【黎明期の特装車】

初期の特装車たち

 ここでは日本の自動車産業の黎明期に、犬塚製作所が開発した特装車を振り返る。なお、写真については【画像ギャラリー】をご覧ください。

天秤式ダンプ
 犬塚製作所は1919年に日本初となる天秤式(懸架式)ダンプカーを開発。天秤状の懸架装置で荷台を上げ下げする。1920年代には今日に通じるホイスト式ダンプを完成させているが、その後しばらく(1930年代まで?)天秤式ダンプも製造された。

楕円タンクローリ
 日本初の楕円・溶接構造のタンクローリ(1930年製作)。当時リベットで製作していた円筒形のタンクローリを、楕円・溶接構造とすることで搭載効率の向上を図った車両。

撒水洗滌車
 日本初の散水洗浄車(1931年製作)。重力による散水のほかに、圧力によって散水する機構を備えた車両である。道路が未舗装だった時代、砂塵を抑えるために散水車が活躍したほか、当時の都市の美観や衛生思想の向上にも貢献した。なお、「撒水」は「散水」、「洗滌」(せんでき)は「洗浄」とほぼ同義である。

バキュームカー
 日本初のバキュームカー(1932年製作)。手桶と荷車で行なわれていた糞尿の汲み取りを、真空ポンプでタンクに汲み取るように機械化したオート三輪(三輪トラック)である。実用新案が出願されている。バキュームカーは中国などでも見ることができるが、日本で発案され発展してきた「ガラパゴス特装車」だ。

飛行機燃料給油車
 日本初の飛行機燃料給油車(1934年製作)。当時、軍用機への燃料の供給は人力で行なっていたが、車両にポンプを搭載することで作業の効率化を図った。

架線修理車
 日本初の架線修理車(1934年製作)。走行しながら高所にある架線の補修を行なう櫓式高所作業車の1号車。油圧ホイストと滑車、ワイヤーを用いており、絶縁を考慮し作業台は木製である。

クレーン車
 起重機付き貨物自動車(1936年製作)。自動車の機動性と重量物の積み降ろしを機械化した車両。今日のキャブバッククレーン車と機構的に変わらず、その原型というべき車両である。


 1930年代には「いすゞTX」に代表される純国産シャシーが登場するが、やがて戦禍が訪れ、トラック・特装車は軍需品としての色を濃くして行く。次回は、犬塚製作所の戦中・戦後の特装車を紹介します。

【画像ギャラリー】犬塚製作所の特装車アルバム(1/3) 自動車黎明期の特装車(10枚)画像ギャラリー

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