レッカー架装大手の城南ホールディングス(山梨県甲府市)の展示会にイタリアントレーラメーカーFGMの新モデルが登場! 一般初公開された新モデル「FJ515」と「FGM32+トライデックEF-S」をレポートした。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
車軸拡幅機構を備えたセミトラクタ輸送用低床セミトレーラ
FGMは低床セミトレーラに特化したイタリアのトレーラメーカーで、特にトラック・バスなどの大型車を運ぶ車両を得意とする。日本では城南HDが各種低床トレーラを販売中だ。
そんな同社の日本向けラインナップに新たに加わるのがFJ515。ドライバー不足対策としてのトレーラ需要の高まりを背景に、故障などで自走できなくなった牽引車(セミトラクタ)を運ぶため開発された低床セミトレーラだ。
最大の特徴は荷台後部の車軸部分が左右にスライドして拡幅する「車軸拡幅機構」で、これにより幅2.5m級の大型車をラクラク積み降ろし、かつ高さを抑えて運ぶことができる。
従来のレッカーけん引では駆動系へのダメージを防ぐためプロペラシャフトを外す必要があり、これがかなりの重作業だったというが、FJ515はそのまま積み降ろすことができ、作業負担&時間がかなり減らせるそう。
拡幅機構はヨーストグループの車軸メーカー、トライデック社が城南HDの要望に応えて専用開発したもので特許取得済み。電動油圧式で、操作はリモコンまたは車体側スイッチで行なう。
車両スペックは車両重量7200kg、最大積載量11500kg、全長15210mm×全幅2490mm×全高2550mm、有効荷台長9400mm、床面地上高370mm。タイヤは385/65R22.5のワイドシングルだ。
荷台伸縮&昇降式低床トレーラに独自のステア機構を搭載
会場ではもう一台、FGMの新モデルが公開された。それがFGM32(トライデックEF-S搭載車)だ。
FGM32は荷台伸縮機構、荷台昇降機構を備えた大型車輸送用の低床セミトレーラの人気モデル。新モデルは、これにトライデック社の電子制御油圧式車軸ステア機構「EF-S」を組み合わせた。
キングピン部のセンサーでトラクタとトレーラの角度を検知し、最適なステア角度を自動制御するのが特徴。これにより狭い場所での取り回しが向上するほか、タイヤ摩耗低減、燃費向上などにもつながる。
ステア機構は「オート(自動ステア)」と「リジッド(固定)」の2モード。オートモードには完全自動モードのほか、リモコン操作式のマニュアルモードも搭載。マニュアルモードでは任意のステア角度への調整のほか、カニ走行も可能だ。
会場では同機構の実演デモンストレーションも見ることができたが、リモコン操作に瞬時に反応するレスポンスの良さが印象的だった。
車両スペックは車両重量12500kg、最大積載量22000kg、全長13650mm+2750mm×全幅2490mm、床面地上高360mm(中落ち部)。タイヤは215/75R17.5のダブル。
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