レッカー車架装大手、城南ホールディングスのコンプリートレッカー車「Fシリーズ」に最新モデル「F-24」が登場した。油圧系統をオール日本製とした純国産レッカー装置を搭載する新モデルを同社展示会で取材したので紹介しよう。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
2年ごとに進化するFシリーズ
Fシリーズは日本の道路、交通事情を考慮して開発された城南ホールディングスのコンプリートレッカー車。2年毎に新モデルを発売しており、モデル名の数字は設計開始年を表している。
初代モデル「F-16」は後方視認性を高めた装置レイアウトを採用。ボディの腐食対策として溶融亜鉛メッキ鋼板の約4倍の耐食性を持つ特殊鋼板「スーパーダイマ」をボディ外板に採用した。
2代目「F-18」は大型収納を搭載したモデル。レッカー装置は日本の狭い道路事情を考慮しオランダFALKOM社製の格納式アンダーリフトを採用し、クレーンも搭載。従来の4WDに加え2WDシャシーも選択可能になった。ボディはスーパーダイマ製だ。
3代目の「F-20」はイタリアのロングブームを持つコメラー製3段ウインチブームを初採用。ウインチ2基を縦列配置で収納庫の容量もアップした。アンダーリフトはアメリカのミラー製。ボディはスーパーダイマ製である。
4代目の「F-22」は「立体駐車場に入っていけるクルマがほしい」という声に応えて設計。狭い場所での取り回しを重視してベース車両は一番短い2200mm(10尺)を採用。ブームはイタリアVIME社製のコンパクトな一体型を搭載している。
純国産レッカー装置を搭載する最新の「F-24」
今回一般初公開となった最新モデルが「F-24」だ。ベース車両はホイールベース2750mmの小型シャシー。ワープル製純国産レッカー装置「ラーナ(RanA)RN-3500」に城南製ボディを組み合わせる。
RN-3500はポンプ、バルブ、シリンダーなど油圧系統をすべて日本製としているのが特徴で、純国産ならではの高い品質と信頼性が最大の持ち味。装置自体は昨年のジャパントラックショー2024で公開しているが、架装状態は初公開となる。
一体型ブームは高張力鋼板「ストレンクス700」を採用し、強度を確保しながら板厚を薄くすることで装置重量の軽量化を実現。油圧シリンダーは新潟のネオックス製。ウインチはイタリアVIME社製(3600kg×2)を搭載する。
城南製ボディは耐食性に優れるスーパーダイマ製。鳥居の形状が丸型から角型に変更となるが、左右の大型工具箱やドーリーなどの装備内容は従来モデルと同様。使いやすさに定評があるFシリーズの良さを引き継いでいるという。
ブーム能力は収縮時4000kg、伸長時2200kgでブーム伸縮量は1300mm。リフト能力は収縮時3300kg、伸長時2000kgでストローク量は850mm。サポートチューブ厚は75mmだ。
このほか、ラーナには中型シャシー用「RN-4500」も存在。こちらはブーム能力が収縮時7500kg、伸長時4100kgでブーム伸縮量は2235mm。リフト能力は収縮時5800kg、伸長時3100kgでストローク量は850mm。サポートチューブ厚は85mmとなっている。
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