なんと高電圧バッテリーを9個も搭載!? 北米向けエルフEVは国内向けより大きいゾ!

ライバルは「あのクルマ」たち

 ところで、NRR EVと競合するクラス5・キャブオーバーEVトラックはどのようなクルマかというと、北米でも、三菱ふそうと日野が主要なライバルとなりそうだ。

 三菱ふそうはもちろん「eキャンター」だが、北米市場ではダイムラートラックが新たに立ち上げた「RIZON」ブランドを通じて、ワイドキャブ車のみを今秋から発売する。

 RIZONの現時点でのバリエーションは、クラス4メインだが、クラス5にはGVW17995ポンド(約8.1トン)の容量124kWh・Lサイズバッテリーモデル「RIZON e18L」を展開する。航続距離は177~250kmで、NRR EVでもバッテリー7基搭載モデルと性能が近い。発売は今秋からの予定だ。

 日野は、デュトロ・ワイドキャブの北米仕様「Mシリーズ」をベースに、北米電動車開発プロジェクト(Project Z)で開発された「M5e」を、2024年から発売する。

 M5eは、豪・SEAドライブ社製の電動パワートレインを搭載したGVW19500ポンド車で、国内では展開予定のないモデルだ。航続距離は不明だが、容量148kWhのNMCリチウムイオン電池パックを搭載し、SEA社ではユニット公称性能を約305kmとしている。容量的には、やはりNRR EVのバッテリー7基搭載モデルと拮抗する性能だろう。

 また、このセグメントへ新たに進出するのが、カナダの新興EV商用車メーカーであるライオン・エレクトリック社の「Lion5」だ。

 こちらもGVW19500ポンド車だが、幅96インチ(約2.4m)という日本車よりもさらにワイドなキャブをもち、EV専用に設計された総輪独立懸架の低床シャシーは、最大積載量約5.7トンを確保。そして自社開発の高性能リチウムイオン電池(総電圧800V)により、航続距離321kmを実現するという。居住性や乗降性は現地で好まれそうなポイントで、新興メーカーながら侮れない存在になるかもしれない。

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