日野自動車は米国市場で販売している中型トラック「M」シリーズと「L」シリーズにおいて電動車をラインナップに加えると発表した。電動パワートレーンにはSEAエレクトリック社のSEAドライブを採用する。新車トラックの一定比率をゼロエミッション車とするカリフォルニア州のACT規制などを控え、米国で電動トラックの需要が高まっている。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/HINO MOTORS SALES U.S.A.,INC.・SEA Electric
米国日野、電動ポートフォリオを拡充
米国日野は3月8日、アメリカで開催されたトラックショー、ワーク・トラック・ウィーク2023(WTW2023)のカンファレンスにおいて、バッテリー電気(BEV)トラックのラインナップを拡充することを発表した。
新たにBEVが追加されるのは、米国市場向け中型トラックの「M」シリーズと「L」シリーズで、電動バージョンのシリーズ名はそれぞれ「Me」と「Le」になる。発売は2024年の予定。これらの車両のパワートレーンは日野の内製ではなく、SEAエレクトリックの「SEAドライブ」パワーシステムにより電動化したもの。
SEAエレクトリックはオーストラリアで創業し米国カリフォルニア州に本社を置く新興メーカーで、2017年よりSEAドライブを発売しているほか、最近はアメリカやオーストラリア、ニュージーランドなどで日野車などに同パワートレーンをレトロフィットした電動トラックをローンチしている。
米国日野の新型BEVトラックは、米国のトラック区分では中型(ミディアム・デューティ)に当たる。「M5e」はクラス5(車両総重量で約7.2~8.8トンの車両)のキャブオーバートラック、「L6e」はクラス6(同約8.8~11.8トン)のコンベンショナル(ボンネット)トラックだ。バッテリー容量はそれぞれ138kWhと220kWhとなる。
M5eはGVW(車両総重量)19,500ポンド(約8.8トン)で、出力は連続80kW(110hp)/ピーク125kW(170hp)。最大トルクは1110lb-ft(1500Nm)だ。
いっぽうL6eはGVW25,950ポンド(約11.8トン)で、200kW(連続)/250kW(ピーク)出力(馬力にすると270~335hp)。最大トルクは2580lb-ft(3500Nm)となる。
これらのスペックはSEAエレクトリックの「SEAドライブ120」と一致し、M5eが「SEAドライブ120a」、L6eが「SEAドライブ120b」を搭載するものと思われる。ただしリチウムイオン電池(NMCバッテリー)はL6eのみ標準の138kWhから先述の通り220kWhへと強化されているようだ。
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