いすゞNRR EV。北米向けのエルフ(Nシリーズ)のバッテリーEVモデルで、「NRR」の車両総重量は中型トラックなみの約8.8トンとなる。なお、NRRは国内でかつて展開していたベッドレス中型トラック「フォワードジャストン」の型式名でもある
NRR EVのキャブ付シャシー。高電圧バッテリーがラダーフレームの内側(センターバッテリー)に3基、左右に3対(6基)で計9基を搭載していることがわかる。航続距離は196~378km。センターバッテリーの直後にセントラルドライブ式モーターを搭載するが、北米仕様の出力は未公表
こちらはバッテリーパック7基仕様のNRR EVで、航続距離は152~289km。北米仕様の航続距離は計算値で、3基仕様は66~128km、5基仕様は109~209kmとなっている
NRR EV。北米仕様はワイドキャブのみを設定。エクステリアデザインは国内向け新型エルフとほぼ共通だが、EVモデルはフロントのISUZUエンブレムが間接発光式になっている。また車名エンブレムなどオーナメント類が現地仕様となる
NRR EVのキャブ内装。細部や装備は異なるが、デザインそのものは国内向けワイドキャブと同じで、ドライビングポジションの自由度と快適性も向上している
NRR EVのメーターパネル。速度計はマイル表示とメトリック表示の併用。パワーメーターは国内向けとあまり変わらない。回生ブレーキももちろん装備
NRR EVのドライバーズシート。シートの形状や表皮の柄などは国内向けエルフのSGグレードとほぼ同じで、サイズは従来型よりも拡大している
NRR EVの温度管理バン。断熱ボディと電動式冷凍ユニットを架装している。またドライバンは配送用やレンタカーとして多用されている
NRR EVのライバルとなる、ダイムラートラックの新ブランド・RIZONの「e18L」。三菱ふそう・eキャンターの北米仕様車で、ワイドキャブのLサイズバッテリー(容量41kWhのLFP電池パック×3基)を搭載する。同じクラス5だが、車両総重量はやや軽い設定である
NRR EVのライバルとなる、日野モータースUSAの「M5e」。北米向けMシリーズ(デュトロ)に、SEAエレクトリックが開発した電動パワートレイン・システムを搭載したもの。なお、日野USAでは現在、小型ディーゼルトラックとしていすゞ・Nシリーズ(エルフ)のOEM車である「Sシリーズ」を販売しており、MシリーズはバッテリーEVのみとなっている
カナダの新興メーカー、ライオン・エレクトリックが今年5月に発表した「Lion 5」。日本車、特にNシリーズが高いシェアをもつクラス5キャブオーバー中型トラック市場に新規参入するものだが、同社の大型EVトラック共通の広いキャブをもつ上に、シャシーが低床であるなど、見逃せないポイントを備えている