併せて佐川急便車両の新デザインも発表
今日は、SGホールディングスグループの佐川急便が都心エリアに建設中だった最新鋭の大型物流施設「佐川東京ロジスティクスセンター」が竣工、メディア内覧会が行なわれたので、東京都江東区新砂まで行ってきた。
メディア内覧会で挨拶する辻尾敏明佐川急便代表取締役社長
佐川東京ロジスティクスセンターは、総合物流センターとして、佐川急便千代田店、全国への輸送ネットワークを実現するハブセンター、そして流通工程を一括サポートできるロジスティクスサービスの提供可能なマルチテナント型物流倉庫で構成し、佐川急便東京本社、SGホールディングス東京事務所など東京のヘッドオフィスも併設している。都心や主要な港(青海、大井、横浜)、空港(羽田、成田)へのアクセスが良好な立地であり、国際化のゲートシティ対応も可能な最新鋭の大型物流施設だ。
敷地面積は2万8921.02m2、地上6階建てで延床面積は7万5266.77m2で、これは都内では最大規模。佐川急便の施設としても、愛知県の一宮流通センターに次ぐ規模だという。
今日、竣工式が行なわれた佐川東京ロジスティクスセンター(東京都江東区新砂)
各施設の特徴は、
【物流棟】
自動仕分け機の導入=①2種類の自動仕分け機を導入し、お荷物の形状に応じて仕分けラインを分けることで配送業務の効率化と、輸送品質の向上を実現した。②構内作業中の熱中症などを防ぐ目的で、半屋外エリアにも空調設備(冷房)を完備した。
流通加工機能=①保管倉庫機能だけではなく、大型のクロスドックセンター機能を併せ持つことで、流通加工機能をメインに異業種複合多目的センターとしてご利用できる。
②商品の入荷から値付け・ピッキング・検品・梱包そして出荷までの流通工程を一括してサポートするロジスティクスサービスを提供する。③取扱商品は精密機器、電子部品、医療機器、販促物、書籍印刷物、アパレル、雑貨、通販等のあらゆる商品に対応し、かつ企業の危機管理をサポートするリコール・トータルサービス機能の併設も予定している。
環境配慮型物流センター=大規模な壁面緑化、屋上緑化により建物への熱負荷低減とヒートアイランド現象の抑制に貢献する。
【事務棟】
シンクライアントシステム導入=①施設内のPC環境をシンクライアント化。これはサーバー上ですべての処理を実行するシステムで、ユーザー側の端末には一切データが残らないセキュリティの高いシステムである。②ユーザー側をノートPCにすることで、外出時なども館内と同じ環境で業務を行なうことが可能となり、業務効率の向上が図れる。
シンクライアントなるシステムが導入された事務棟
省電力化=①事務棟は軒の深い庇、縦ルーバーを採用することで、同じ窓面積の建物に比べ外部からの熱負荷低減を50%以上低減している。②外壁に設置した開閉式窓と建物中央部に配置した光庭により、積極的な自然換気、自然採光を取り入れ、機械設備に頼らず自然エネルギーを最大限生かしている。③LED照明+昼光センサー、節水型トイレ、Low-Eガラス、サブ変電設備の高効率トランスに加え、太陽光パネル設置(計画中)に向けたスペースの確保など省エネルギー技術を積極的に採用している。
BCP対応=高潮、集中豪雨等の災害対策として重要機能室(防災センター等)を2階に配置している。
物流棟1階の佐川急便千代田店の搬送設備機器もメディアに公開されたが、荷物の仕分け能力は1時間当たり最大2万2000個で、インバータ制御による荷降ろし&搬送ライン、全方向全方位バーコードスキャナー、仕分け方面読取バーコードリーダーなどの最新鋭設備を採用。メインラインからはクシ状に左右に9本ずつ計18本の仕分けラインに分かれるが、この仕分けラインは、さらに必要に応じて3本のコンベアを付けることができるため、仕分け方面数は最大54方面におよぶ。また、構内はカーゴ運用に適したさまざまな機能を導入。カーゴでの荷物の仕分け時に作業員が働きやすいようカーゴストッパーを設置し、さらに仕分け用ベルトコンベアの高さを通常より25㎝高くすることで、腰痛などの労災防止にも配慮した設計になっている。また、夏場の構内作業中の熱中症防止に冷房設備が多数設けられているのも大きな特徴だ。
素早く確実に荷物を仕分けするための全方向全方位バーコードスキャナー
メインのラインから左右に9本ずつ仕分けラインが設けられている
さて、今日のメディア内覧会では、もう一つ(ちょっとサプライズな)発表があった。それは、佐川急便の集配車両および幹線輸送車両のボディデザインを刷新するというもので、今までは銀河をイメージしたギャラクシーデザインを各車両のボディ側面に配していたが、来年春からの車両代替に際して、順次新デザインに替えていくというもの。これは、今年度は佐川急便の中期経営計画SecondStagePlan最終年度を迎え、来年度からは新たな中期経営計画がスタートする変革の年でもあり、また顧客ニーズの多様化により、より良いサービスの提供や柔軟な対応力、幅広い事業活動が求められているため、グループシナジーをより強化することが必要と判断。そこで新たな車両デザインではSGホールディングスグループをイメージし、SGHのロゴマークを新たに配しグループの総合力を表現し、またギャラクシーデザインはあえて小さくし、佐川急便とSGHのロゴマークを際立たせることでグループシナジーをより強く表現したという。今後はグループ内で各事業会社が保有する車両についても、グループ総合力を表現したデザインを取り入れ、刷新していく予定だという。ちなみに佐川急便の車両は2001年4月からギャラクシーデザインを纏って、新生SAGAWAをアピールしてきたが、次のステージへと進化すべく、よりシンプルなデザインへと移行。デザインコンセプトとしては、全体は機能性を感じさせるシルバーとし、ポイントにギャラクシーバーを配すことで、アイデンティティをキープしたという。
何だか、ずいぶんとシンプルというか地味になった印象ですね
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