オーダーメイドの平ボディを専門とする美川ボデーが、小型トラックベースの平ボディを製作。小さな車体に大型顔負けの装備を詰め込んだ、こだわり満載の「小型つくりボディ」に迫る!
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2025年3月発売「フルロード」VOL56より
希少なオーダーメイドの小型平ボディ
職人が一台一台ハンドメイドで製作する「つくり」の平ボディを専門とする美川ボデー(神奈川県平塚市)。頑丈で長く使える同社の平ボディは、日本全国にリピーターを持つ。
今回同社が製作したのは希少なオーダーメイドの小型平ボディ。依頼主は建築資材をはじめ、ガスタンクや発電機などさまざまな製品を日本全国に届けている栄希(はるき/神奈川県愛川町)だ。
同社は大型〜小型まで各種平ボディを保有し、小型は都市部など狭い現場がメイン。これまではメーカー完成車を使っていたが、5年使って大規模な修繕が必要となっていた。
また、若手ドライバーが乗務する車両も用意する必要もあった。そこで、メーカー完成車より頑丈で、より使いやすい小型平ボディを目指し、美川ボデーに製作を依頼したという。
小さな車体にこだわり満載
ベース車両は日野デュトロXZU720系3トン積級、ワイドキャブ、高床、超ロングボディ(ホイールベース3870mm)で、キャブバックに古河ユニック製4段2.93トン吊りクレーン(URG294A)を搭載する。
荷台を支える根太は軽量化のためオールアルミ製とし、組み方は強度を持たせるため縦根太の上に横根太を重ねる「立体交差組」を採用。左右縦根太間はリン木(荷台と積み荷の間に置く枕木)入れにしている。
荷台は3方開のアオリ付き平ボディで、床はアピトン製。傷や凹み防止のため、アオリや鳥居にアルミ縞板を被せて補強、丁番や柱は耐食性に優れるステンレス製とするなど丈夫そうなつくりだ。
鳥居は工具箱を内蔵した通称「ボックス型」を採用。鳥居前側、リアオーバーハング部にも工具箱を搭載しており、大型平ボディ顔負けの収納量を誇る。
これは栄希のポリシーである「荷台の整理整頓」に基づくもので、荷台の上に物を置かないことで、荷役作業を始めやすくし、商品事故を減らすのが狙いだ。
清潔さにも気を使っており、シャシー左側燃料タンク後方には手洗い用の水&ハンドソープを置くためのラックを搭載。小さな車体にこだわりを満載した小型平ボディとなっている。
スペックは、車両寸法が全長7010mm×全幅2240mm。荷台内寸は内法長4200mm×内法幅2100mmで、床面地上高が1030mm。最大積載量は2950kgだ。
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