不安は単純ではない
いっぽう、『自動運転走行機能・隊列走行』の不安点として、「システムの誤作動・故障」が運輸業の51%、自家用の57%が挙げた。次いで「故障・事故発生時の責任所在があいまい」が運輸業の44%、自家用の45%で、いずれも前回より7ポイント増えた。
上位2理由に続くのが、「車両価格・維持費の上昇」で運輸業の41%と自家用の34%、また「ドライバーの居眠り・注意力の低下」で運輸業の40%、自家用も40%が挙げている。なお、自家用のうち卸・小売業の51%が「ドライバー運転技能の低下」を挙げており、前回比で2.8倍も増えた。
これらは、システムの信頼性、コストアップ、運行に伴う懸念の3点にまたがっており、『自動運転走行機能・隊列走行』のメリットは理解されながらも、積極的に導入する気にはなれないというユーザー心理を、よく表しているといえる。
国内外のトラックメーカーでは、SAE運転自動化レベル2(自動運転ではない)まで製品化しており、現在はレベル4(公道における高度運転自動化)の実用化に向けて開発を進めている。しかし、なにより重要なのは、自動運転に向けた緻密な制度設計とその衆知、道路環境の整備など、官側における確かな取り組みだろう。
なお、普通トラック市場動向調査は、ユーザーの経営状況やトラックの需要動向、ドライバー不足(物流24年問題)など多岐にわたって調査が行なわれており、調査結果は自工会ウェブサイトで公開されている。
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