7月23日、いすゞ自動車は、中型トラック「フォワード」に米・カミンズと共同開発した新型直列6気筒ディーゼルエンジンを搭載した車両総重量(GVW)15トン以上モデル(16トン、20トン、22トン仕様)をフルモデルチェンジし、同日より販売を開始すると発表した。
また、あわせてUDトラックスブランドとして発売される「コンドル」の同仕様のモデルチェンジも実施された。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/いすゞ自動車、UDトラックス、フルロード編集部(*トップ写真等は試験車両で市販車とは若干異なります)
新型フォワードFVR/FVZの概要
いすゞの中型トラック「フォワード」は、準中型〜大型免許が必要なGVW7.5トン〜22トン車をラインナップしているが、このうちGVW16トン仕様に「FVR」、GVW20トン・22トン仕様に「FVZ」の型式が与えられている。
今回フルモデルチェンジを行なうのはこのFVR、FVZで、GVW14.5トン以下のフォワードでは2023年8月29日に先行してフルモデルチェンジ(発表は同年3月)を実施していた。
FVR/FVZのエクステリアにはGVW14.5トン以下のフォワードとは異なる意匠が与えられているのが特徴で、その見た目の大きな違いとなるのはバンパーヘッドランプが採用されている点だろう。
新型は、インテリアや先進安全装備の展開はGVW14.5トン以下の新型フォワードと共通であるが、エクステリアは車格の差別化を高めるため、先代から続くバンパーヘッドランプを含め、フロントパネル、グリル形状などが大きく変更され、その姿は、次期「ギガ」といっても遜色ないくらい重厚感あるデザインが付与された。
また、シャシーフレームも今回新規開発。強度と剛性を確保しながら、重量増を抑えた設計とし、先代FVR/FVZは国内海外で異なるシャシー設計だったが、新型ではこれを統合して各国市場に対応できるようになった。
新たに搭載するカミンズ製新型エンジン
いっぽう新型FVR/FVZが新たに搭載する「DB6A型」エンジンは、米・カミンズが開発した6.7リッター直列6気筒エンジン(B6.7型)をベースに、いすゞが改良して、栃木工場で国産化するエンジンである。
先代と同じく2つの出力仕様を設定し、DB6A‐TCC型の最高出力300PS/1950rpm・最大トルク110kgm(1081Nm)/1100rpmと、DB6A‐TCN型の最高出力260PS/2100rpm・最大トルク90kgm(883Nm)/1100rpmの仕様を展開。
DB6A‐TCC型は先代の7.8リッターエンジン・6NX1‐TCN(310PS)と同等の出力/トルクを確保するが、むしろトルクバンドは拡大され、より扱いやすい特性へと仕上げられた。さらにエンジン重量の軽減により、クルマ全体では130kgの軽量化を達成する。
またFVRにも搭載されるDB6A‐TCNは、逆に4HK1‐TCS(240PS)に対して排気量アップ、重量も増えたが、出力は+20PS、トルクは+12kgm増強となる。
組み合わせるトランスミッションは、先代と同じくいすゞ自製の9速マニュアルと9速AMT「スムーサーFx」が設定される。
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