地域屈指の優良企業に
MDF時代から現在までのトラマガル工場の累計生産台数は26万台。工場としての歴史は、フェレイラ家が株主だった時代が26年に対して、三菱自工時代は14年、三菱ふそう時代は20年で計34年といまや三菱時代のほうが長く、累計生産台数に至っては98%以上が三菱車/ふそう車と圧倒的です。
2022年からは欧州向けのキャンターディーゼル車とBEVのeキャンターを混流生産すべく、ラインレイアウトと付帯施設のリニューアル工事をスタート(生産自体は実施中)しながらも、昨2023年には、過去59年で年間生産台数の最多記録となる約1万1800台を出荷しました。
三菱ふそうのプレスリリースによれば、トラマガル工場はいまでも現地で最も大きな雇用を生んでおり、MDF時代から3世代、4世代にわたって勤務する従業員も珍しくないそうです。
パウロ・シマン購買部長もその一人で、祖父と父が勤めあげ、いまは子息のミゲル氏も設備保全を担当しています。シマン部長は「たくさんの変化を目の当たりにしてきましたが、結局、私たちはここでトラックをつくっています」と語っています。
ポルトガルでも少子化や国外への人材流出が課題となっていますが、同社では、業界の変化に合わせた新しいスキルを従業員に提供してきたことが、就労先としてMFTEが選ばれる理由だと述べています。
最近では、同国のトマール工科大学と従業員トレーニングで提携、eモビリティなどにも対応した最新のキャリアアップ・プログラムを、今年後半から提供していく計画とのことです。
延期にはなりましたが、三菱ふそうは近い将来ダイムラーグループを離脱して、日野自動車との統合を控えています。EUで日本のトラックを生産するトラマガル工場が、今後どのような歴史を歩んでいくのか、注目していきたいところです。
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