いすゞ エルフをタクティカルに大改造!? 軍用車の足回りをもつオフロードトラック「ストラヤ4×4」とは?

いすゞ エルフをタクティカルに大改造!? 軍用車の足回りをもつオフロードトラック「ストラヤ4×4」とは?

 いすゞの小型トラック「エルフ」は、米国でも「Nシリーズ」の名称で販売され、都市内配送用途やレンタカーとして普及している。そのNシリーズをベースに、軍用車向けに開発されたコンポーネントを装着、走破性と耐久性を大幅に高めた「ストラヤ4×4」という総輪駆動トラックが昨年デビューした。モダンで見慣れたキャブをもちつつ、只者ではないアピアランスを放つ姿は魅力的でもある。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Acela Truck、Cummins、Power Solutions International、Isuzu Commercial Truck of America、Isuzu Australia

ユニークな軍用トラック再生メーカー

米国のアセラ・トラックが開発したいすゞNRRベースのストラヤ4×4(左)と、クラス6~8総輪駆動トラックのモンテラ(右)。モンテラは、米陸軍から退役したFMTVのシャシーとキャブを、新車同然に再生した民生用トラックである(写真:Acela Trucks)
米国のアセラ・トラックが開発したいすゞNRRベースのストラヤ4×4(左)と、クラス6~8総輪駆動トラックのモンテラ(右)。モンテラは、米陸軍から退役したFMTVのシャシーとキャブを、新車同然に再生した民生用トラックである(写真:Acela Trucks)

 「ストラヤ4×4」を開発したのは、米・モンタナ州にあるアセラ・トラック(以下アセラ社)という企業だ。

 アセラ社は、米陸軍から退役した中型総輪駆動トラック(中型戦術車両ファミリー=FMTV)のシャシーを、再び過酷な環境で使用できるよう新車同然の状態へリマニファクチュアリング(再生)、民間の石油産業や鉱業、林業、消防といったヘビーデューティ用途に対応したトラックを、非常に安い価格で供給するという、ユニークなビジネスを行なっている。

 そのアセラ社が2022年に発表したのが、北米向けエルフ=Nシリーズ・ベースのストラヤ4×4だ。同社リリースによれば、オーストラリアの消防機関がいすゞ総輪駆動トラックを配備していることにインスピレーションを得たという。

 そこで、米国でも高い耐久信頼性が実証されているNシリーズをベースに、同社が扱いを得意とする軍用車向けドライブトレーンを組み合わせ、傑出した走破性と積載性を両立したクラス5トラックが開発された。

 クラス5とは、米国でのトラック車格の表記で車両総重量1万6001~1万9500ポンド(約7.2~約8.85トン)を示すものだが、ストラヤ4×4はその上限(約8.85トン)に位置し、クラス6~8に相当するFMTV再生車よりも軽いレンジをカバーする。ターゲット・ユーザー層も同じだ。

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