DHLサプライチェーンは日本国内で燃料電池トラック(FCトラック)の実証走行を開始したと発表した。導入したのはCJPT製の小型FCトラックで、顧客ニーズに応える形で2025年中に更なるFCトラックの導入も予定している。
サステナブルな輸送を実現するための次世代エネルギーとされる水素の活用に向けて、FCトラックの実用性や環境性能を検証する。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/DHLサプライチェーン株式会社・Commercial Japan Partnership Technologies株式会社
DHL水素トラックを試験導入し実用化に向けた検証を開始
ロジスティクス業界のグローバルリーダーであるDHLサプライチェーンは2025年8月8日、サステナブルな輸送手段の実用化に向けた取り組みの一環として、日本国内で水素を燃料とした燃料電池トラック(FCトラック)を使用した実証走行を開始すると発表した。
日本政府の支援を受けて進められている脱炭素社会実現に向けたプロジェクトに、DHLサプライチェーンがパートナー企業として参加し実施するもので、水素トラックの実用性や環境性能を検証する。
DHLサプライチェーンの代表取締役社長であるジェローム・ジレ氏によると、FCトラックの導入はDHLサプライチェーンとしてアジア太平洋地域で初めてで、「低炭素・ゼロ炭素の輸送ソリューションの導入において先駆者的な役割を果たすという点で、DHLグループの『選ばれるグリーンロジスティクス』になるという目標と一致している」という。
今回導入したFCトラックはCJPT(トヨタ、いすゞなどが設立したCommercial Japan Partnership Technologies株式会社)製で、搭載する高圧タンクに貯蔵した水素と大気中の酸素を燃料電池で化学反応させ、発生した電力でモーターを駆動する仕組み。航続可能距離は約260kmで、環境性能と商用車としての実用性を兼ね備えている。
第一弾として、富士通の複数オペレーション間における輸送を対象に、実証を開始し、2025年中にさらなるFCトラックの導入を予定するなど顧客ニーズに対応する形で実証範囲を拡大していく。
DHLグループの企業戦略において新エネルギーは成長セクターの一つに位置付けられており、グループでは、風力、太陽光、EVとバッテリー、バッテリーと蓄電システム、EV充電、電力網、代替燃料、水素の8つのセグメントについて、エンドツーエンドの物流ソリューションの構築を進めている。
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