軍用ダンプを専用の生産ラインで? マックが米陸軍向け大型ダンプで5年契約を獲得!

軍用ダンプを専用の生産ラインで? マックが米陸軍向け大型ダンプで5年契約を獲得!

 最近、世界各地で紛争が相次ぎ、防衛産業が成長産業になっているが、軍用車も例外ではない。

 米陸軍向けに大型ダンプを納入するマックは、生産の継続と追加供給で新たな契約を獲得した。民生用トラックをベースに軍用の仕様を満たした「M917A3 HDT」用に、2021年からは専用の生産ラインも稼働しているという。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Mack Trucks・Mack Defense

マックが米陸軍の大型ダンプ契約を獲得

軍用ダンプを専用の生産ラインで? マックが米陸軍向け大型ダンプで5年契約を獲得!
マックは米陸軍向け「M917A3 HDT」最大450台の契約を獲得した

 米国の大手商用車メーカー、マックは傘下のマック・ディフェンスが米陸軍の大型ダンプ「M917A3 ヘヴィ・ダンプ・トラック(HDT)」の5年契約を獲得したことを、2025年8月11日に発表した。

 2018年以来、米陸軍向けに多数を納入しているM917A3 HDTの生産・供給を継続する契約だ。総額は2億2180万ドル(約330億円)で、米軍は最大450台の大型ダンプを調達する。

 マックは2018年の最初の契約を通じて、M917A3 HDTの生産が累計500台に達したことを3月に発表していた。その直後に新たな契約を締結した形となる。

 世界で紛争が相次いでいることなどから各国が防衛支出を増やしており、防衛産業が成長産業になっていることを裏付けるものだ。トラックメーカーにとっても軍用車の売上は伸びているようだ。

 マック・ディフェンス社長のデビット・ハーツェル氏は次のようにコメントしている。

「この契約は米陸軍にミッションクリティカルな車両を納入している当社の能力に対する信頼の証です。M917A3 HDTは民生用のトラック(マック・グラナイト)をベースに、陸軍の作戦を直接支援する機能を満たすように改造されています。新たな契約獲得は、サプライヤーを含むチームの献身と、この堅牢なプラットフォームの能力を証明しています」。

軍用ダンプ専用の生産ラインまで

軍用ダンプを専用の生産ラインで? マックが米陸軍向け大型ダンプで5年契約を獲得!
2018年の最初の契約から継続生産しており、2021年には専用生産ラインも整備したそうだ

 軍用の大型ダンプはインフラの建設・整備などに不可欠の車両で、飛行場、道路、滑走路、補給施設、基地の建設・管理のほか、災害救助においても重要な役割を果たしている。

 M917A3 HDTはマック・グラナイトがベースだが、ペンシルベニア州アレンタウンに専用の生産ラインを備えている。

 この専用ラインはマックの大型車の製造を担う主力工場・リーハイバレー工場の能力と人員を活用しつつ、650万ドルを投じて2021年から稼働しているもので、メーカーの軍用車への期待の高さが伺える。

 民生用トラックのグラナイトと比較すると、全体的により堅牢となっているほか、頑丈なリアアクスル、全輪駆動システム、サスペンションによる車高調整など、米軍の特殊な要件を満たすものになっている。

 また、ABS、最新の制御インターフェース、アクティブセーフティ機能など先進装備は民生品と同様のものを備えているという。

 2018年の契約で米軍には最大683台(約3億ドル)のM917A3 HDTの発注が許可されているが、マックは既に549台を受注しており、追加発注もあったことなどから今回の新たな5年契約に繋がったようだ。

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