オシュコシュ・ストライカー・ヴォルテラ空港用消防車
やはりオシュコシュ社の子会社・オシュコシュ・エアポートプロダクツ社の「ストライカー・ヴォルテラ・ハイブリッドARFF」は、ピアース・ヴォルテラと同じパラレル式ハイブリッドシステムを空港用消防車(ARFF)に搭載したものです。
電動化によって、満載状態(消火水12000リットル、泡消火剤1680リットル)での加速性能を最大28%も向上させており、いち早い現場到着が求められるARFFに適したパフォーマンスを、ゼロエミッションで実現できるとしています。
ローゼンバウアー・RT消防ポンプ車
先進的なエクステリアの「RT」は、オーストリアの大手消防車メーカー・ローゼンバウアー社が2020年9月に発表した次世代消防ポンプ車で、基本的にはBEVですが、バッテリー充電率が低下した時のみ発電用エンジンで補充電を行なう、レンジエクステンダーEVシステムを搭載しています。
デザインのスタイリッシュさに視線を奪われますが、前軸と後軸にそれぞれ出力132kWhの走行用モーターを備えた総輪駆動・総輪操舵のいわば4WD・4WSで、さらに総輪エアサスというハイスペックなシャシーをもっています。
送水および放水も電動ポンプで行なわれます。消火作業をデジタル化、ネットワーク化するシステムも導入し、要員間の情報交換やドローンの空撮情報などを共有できるようになっています。また、消火水タンクは1000~4000リットル、泡消火剤タンクは50~400リットルの範囲から、消防車ユーザーが注文できるようになっています。
ローゼンバウアー・L32A-XS×ボルボ・FEエレクトリックはしご車
ボルボの大型BEVトラック「FEエレクトリック」をベースに、ローゼンバウアー社の先端屈折式はしご装置「L32A-XS」を架装した消防はしごBEVで、2021年10月に発表されました。
FEエレクトリックが搭載する2基の走行用モーター(計225kW)に加えて、はしご装置駆動用の70kWモーターも装備し、容量66kWhのリチウムイオン電池を3基搭載しています。なお、L32A-XSそのものは通常車と同じもので、揚程高32mのはしごの先端に、定員5人のバスケットも装備しています。
気になるのは、どれだけ使えるのか?ということでしょう。想定では、満充電時であれば市街地または郊外での1回の出動(はしご操作、照明などの消火作業と現場往復を含む)に十分な電力があるとされています。もし現場に充電できる環境があれば、充電しながらのはしご操作も可能といいます。
このほかローゼンバウアー社では、FEエレクトリックにレンジエクステンダーEVシステムを組み合わせた消防車も開発中で、近く実用化する予定です。
ローゼンバウアー・パンサー・エレクトリック空港用消防車
今年6月には、ローゼンバウアー社の空港用消防車「パンサー」の電動6×6モデルの開発も発表されました。
電動パワートレインは、これもレンジエクステンダーEVシステムを搭載しますが、RTとは異なって、開発は世界的なティアワンサプライヤ、マグナ社と共同で進められています。
完成時には、車両総重量39トンという重量車ながら、0→80km/h加速はなんと20秒未満!というARFF史上最速のパフォーマンスを予定しているそうです。
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