住友商事といすゞ自動車は、インドにおける合弁トラック生産販売会社・SMLいすゞ(SMLI)を、同国大手トラックメーカーのマヒンドラ&マヒンドラ(M&M)へ売却すると発表した。M&Mは、SMLI買収によって車両総重量3.5トン超クラス小型トラックのシェア拡大を狙う。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/SMLいすゞ、マヒンドラ&マヒンドラ
小型トラック市場でシェア拡大を目指すM&M

SMLいすゞは、住商43.96%・いすゞ15.0%・その他(現地企業や個人投資家など)41.04%がそれぞれ出資する合弁会社で、小型および中型のトラック・バスを生産・販売しており、同国の大手商用車メーカーでは6位。特に中型バスは市場シェア16%と高い支持を得てきた。
M&Mは、このSMLIの発行済み株式のうち住商といすゞの保有分58.96%を、55億5000万ルピー(約93億円)で取得すると発表。住商といすゞはともに売却額を公表していないが、2025年中に株式譲渡を完了する見込みとしている。
SMLI買収の狙いは、小型トラック市場におけるシェア拡大だ。M&Mはピックアップや軽トラックで構成される車両総重量3.5トン未満クラス市場でシェア52%を確保するが、3.5トン超クラスシェアはわずか3%に留まる。これにSMLIを加えても6%だが、2031年度までに10~12%、2036年度までに20%超を目指すという。
インドのトラック市場は価格重視であり、約40年前のモデルを改良しながら供給しつづけているケースが多くみられる。M&Mの小型トラックもそれにあてはまるが、タタやアイシャーなど競合メーカーが更新を図っているのも事実で、それらに対してM&Mが遅れをとっているのは確かだ。
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