住商といすゞがインド小型トラック合弁をマヒンドラへ売却! もとはマツダだったSMLいすゞの異色なヒストリー

M&Mの小型トラックも日本車由来

M&Mの小型トラック「ロードキング・オプティモ」。フェイスリフトとハイルーフ化でかなり変貌しているが、日産H40型キャブスターの血を引くGVW6.9トン車である。BS6規制をクリアするエンジンは82PS・2.5リッター直4ディーゼルのmDi CRDe型
M&Mの小型トラック「ロードキング・オプティモ」。フェイスリフトとハイルーフ化でかなり変貌しているが、日産H40型キャブスターの血を引くGVW6.9トン車である。BS6規制をクリアするエンジンは82PS・2.5リッター直4ディーゼルのmDi CRDe型

 いっぽうM&Mは古参の財閥系自動車メーカーで、60年代からジープシャシーを活用したキャブオーバー小型トラックを開発・生産してきたが、車両総重量3.5トンを超える本格的なトラック事業の歴史は浅く、小型トラックは1989年から、大中型トラックに至っては2005年からである。また現行モデルのスタイリングは、マヒンドラグループ傘下のイタリアの名門カロッツェリア・ピニンファリーナが担当しているものの、大中型クラスの市場シェアは5位である。

 89年からの小型トラック事業は、別の現地企業と日産自動車の合弁企業(83年設立)を買収してスタートしたもので、M&Mの現行モデル「ジャヨー」(車両総重量4.9トン後輪シングルタイヤ車)と「ロードキング・オプティモ」(同6.9トン後輪ダブルタイヤ車)は、その当時国産化していた日産の小型トラック「キャブスター」(インド仕様のH40型アトラス・ワイドキャブ)の延長線上にあるクルマだ。

 H40型の輪郭を残すキャビンは、フェイスリフトとハイルーフ化で大きく変貌、コネクティッド用通信端末さえ搭載するものの、競合車が世代交代を進めている中では古さが否めない(ライバルのひとつアショク・レイランドの小型トラックは、H40型より2世代も新しいF24型キャブスターがベースである)。

 2021年、M&Mはついに新型の小型トラック「フリオ7」を投入する。ロードキング・オプティモと同じ車両総重量6.9トン級モデルで、キャビンは18年に登場した中型トラック「フリオ」のコンポーネントを活用している。同社が小型トラック市場での成功を諦めていないことがうかがえそうだ。

 とはいえ、車両総重量5トン~7トンクラスにわたる小型トラック市場では、これよりもっと軽いレンジを細かくカバーする必要があるのだが、SMLIのラインナップはそこを完全に補完できるのである(画像ギャラリー参照)。

M&Mの小型トラック「フリオ7」。GVW6.9トン車と上のオプティモと同じ車格で、中型キャビンをナロー化(1.85m幅)したキャビンを得ている。写真は後輪シングルタイヤ仕様はエンジンも82PSのmDi CRDe型でオプティモと共通だが、ダブルタイヤの重架装仕様では125PSの3.5リッター直4のmDi Tech型となる
M&Mの小型トラック「フリオ7」。GVW6.9トン車と上のオプティモと同じ車格で、中型キャビンをナロー化(1.85m幅)したキャビンを得ている。写真は後輪シングルタイヤ仕様はエンジンも82PSのmDi CRDe型でオプティモと共通だが、ダブルタイヤの重架装仕様では125PSの3.5リッター直4のmDi Tech型となる

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