住商といすゞがインド小型トラック合弁をマヒンドラへ売却! もとはマツダだったSMLいすゞの異色なヒストリー

もともとはマツダの現地合弁だった

SMLいすゞの「サムラットXM」。XMシリーズは従来のタイタンキャビンを用いる(XMはex.Mazdaか?)。写真は左ハンドルの輸出モデル。サムラット系なのでGVW10トン超のモデルだろう。かなりGSに置き換わってきたが、いまもGSと並行生産されているようで、特殊用途シャシーや輸出車で用いられている
SMLいすゞの「サムラットXM」。XMシリーズは従来のタイタンキャビンを用いる(XMはex.Mazdaか?)。写真は左ハンドルの輸出モデル。サムラット系なのでGVW10トン超のモデルだろう。かなりGSに置き換わってきたが、いまもGSと並行生産されているようで、特殊用途シャシーや輸出車で用いられている

 SMLIはインド北西部のチャンディーガルに本社と生産拠点を擁しており、年産能力は2万4000台。生産車種は中小型トラック(車両総重量5~13トン)と中小型バスである。なお、同国の主要商用車メーカー6社で唯一、大型トラック(同13トン超)をラインナップしていない。

 SMLIのルーツは、インドの名門農機メーカー・パンジャブトラクターが1983年に設立した自動車生産会社スワラジビークルズ(SVL)で、翌84年にマツダと住商が出資して合弁会社スワラジマツダ(SML)となった。85年にマツダの小型トラック(2代目「タイタン」後期型ワイドキャブ3.5トン積車型がベース)の組立を開始、最終的に国産化率100%を達成するとともに、スワラジマツダ車はインド全土で普及していった。同国有数の中小型トラック・バス専業メーカーだったわけだ。

 2005年にマツダが合弁から離脱、06年にいすゞが中型バス製造技術を援助することになり、07年にはいすゞ製大型リアエンジンバスシャシーの導入と、それをベースにSMLがバスボディを架装するという協業も始まった。11年に出資比率が現在の15%に引き上げられ、翌12年に社名をSMLいすゞへ変更した。

 トラックおよびバスシャシーに関するほとんどの技術的バックボーン(パワートレーン、キャビン、閉断面ラダーフレームシャシーなど)は、完全国産化によって優れた価格競争力を有するスワラジマツダ車を継承したものだった。ただし前述の大型リアエンジンバスシャシーのほか、いすゞ製パワートレーンをSML製トラック・バスに搭載した新モデルを開発し、それらをいすゞブランドで展開することを試みてもいる。

 現在は、再びSMLブランド・SML製パワートレーンに一本化しているものの、17年からトラックキャビンの更新に着手、外観が5代目エルフ最終型と同じキャビンコンポーネントを導入した「グローバルシリーズ(GS)」の展開をスタートし、商品力のアップデートが進められてきた。

2011年発表のSMLI製いすゞブランド車「IS12T」。GVW12トン中型トラックで写真は左ハンドルの輸出仕様。いすゞ製の150PS・5.2リッター4HK1型エンジンと6速MTを積むインドでは破格のモデルだった。巨大なフェンダーに載ったタイタンキャブにISUZUエンブレムが輝くスタイリングはまさに異色
2011年発表のSMLI製いすゞブランド車「IS12T」。GVW12トン中型トラックで写真は左ハンドルの輸出仕様。いすゞ製の150PS・5.2リッター4HK1型エンジンと6速MTを積むインドでは破格のモデルだった。巨大なフェンダーに載ったタイタンキャブにISUZUエンブレムが輝くスタイリングはまさに異色

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