海コンドライバー おみさんの「天下御免」 No.9

海コンドライバー おみさんの「天下御免」 No.9

45フィートの海コンシャーシについて

海コンの長さには20フィート(以降ft)、40ft、45ft、53ftがありますが、日本国内の輸送は20と40ftです。高さも8ft6inchi(ハチロク、バン全高2.6m)と9’6”(クンロク全高2.9m)の2種類があり、クンロクはコンテナ上部に黄色と黒のゼブラステッカーが貼られ背高の識別をしています。

現在MAXgrossweightが30480kgが標準で、コンテナの自重(TARE weight)と貨物重量(NETweight)の合計が30480kgまで可能な通称30トンバンや『super heavy』のステッカーを貼ったgross32500kgバン、34000kgバン、逆にMAXgrossweightが24000kgまでの24トンバンなど、さまざまなタイプのコンテナがあり、海外では長さが45ftや53ftのコンテナも存在します。

この長いコンテナは日本国内での輸送はまだ一部でしか認可されておりません。
「みやぎ45フィートコンテナ物流特区」のみ。

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45ft(13m)は宅急便のトレーラなどが使用していますが、積載量や専用ヘッド(4×2のロングホイールベースまたは6×4)が必要になります。海コン運送会社としては、たとえ認可が下りたとしても45ft用の車を用意してまで需要があるかなど不安要素がたくさんあります。

また、現場や乙仲もトレーラのことを理解してないので、現状でもまったく入れない倉庫にトレーラを呼び込んだ挙句、結局別の倉庫に移動させるなど、無駄な時間が取られています。45ftを認可したら、さらにそういったトラブルが多くなりそうです。

40ft(クンロク)に対して、45ft(クンロク)は27%の容積率増ではありますが、最大積載量は40ftと変わらない30480kgのままです。40ftに積載していた荷物を重量的に増やして積める分けではないので、荷主なども使用する際に面倒なのではないかと思います。

先日のモーターショーでは20~45ftの兼用シャーシが展示されてましたが、シャーシの価格と仕事量が比例するかという点も疑問視する声があります。国や一部企業などは45ftを推進していますが、港や港湾施設や通行可能な道路の整備もやらないと走るのに苦労しそうです。

港湾施設はシャーシプールの有効長変更など、車両メーカーは現行の4×2のヘッドが牽引可能なシャーシの開発など、課題は多岐に渡ります。

海コン会社は、新規格ヘッドやシャーシの購入など、運賃が安いのに道具を揃えるためお金をかけなければなりませんが、そういったことを踏まえた経済政策を政府が考えているのかも自分は疑問に思います。

政治家の皆さん、トラックが1台いくらするか知ってますか?

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