身近なトラックにも会社やその業界の独自の決まりやルールがあります。今回は、主に中型トラックに乗っている中堅ドライバーの愛嘉さんに配送トラックの事情を聞いてみました。
文/中堅ドライバー愛嘉さん、写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
*2024年12月発行「フルロード」第55号より
パレットへの荷物の積み方もいろいろ
まずは私の話ですが、今は冷蔵車ではないので食品などの生ものは運ばないのですが、それ以外のものは運べる範囲であれば何でも運びます。なので、日々たくさんの倉庫や現場に行きます。配達に行く倉庫は、場所によってさまざまなルールがあります。
例えばパレットに商品を乗せる時も、フォークリフトで運ぶ時に崩れるのを防ぐために「八回し」などに組んだ積み方(荷物の向きを変えて積む)をするのがほとんどなのですが、稀に面倒だから「棒積み」(すべて同じ向きで積む。崩れやすい)にしてくれというところもあります。
昔、当然組んで積むだろうと思っていたら「棒積みにして欲しいんだよね!」と言われて、一から積み直したことがありました(笑)。そこからは必ず組むのか棒積みなのか聞くようにしています。
また、定期のルート配送をしている人達って、同じような時間に同じような納品先に行くことが多いので、他の業者と被ることもよくあるんです。何度も行っていると顔見知りになり、クルマを停める位置から商品を置く場所まで「暗黙のルール」ができ上がります。
私は定期の人が休みの時に代走することが多いので、そういった場面にかなり出くわします。いつもの人と違った動きをしているんだろうな~と感じることが多々あります(笑)。ですが「いつもの人お休みなんだ~」と声を掛けてくださる方もいて、降ろす場所などを教えてくださったりすることもあります。
こういうルールは、やはり毎日行っている人にはなかなか敵いませんね。
運転も荷積み荷降ろしも安全最優先
あとこれは、仕事中に感じた「あるある」ですが、トラックが右折レーンに行くと必ず助手席側のミラーを畳みます。広い右折レーンではあまりやらないのですが、狭い右折レーンでは後ろから来るトラックや乗用車の通行をできる限り妨げないようにミラーを畳む光景がよく見られますね。
最近、建築現場へ資材などを届ける仕事が多くあり、そういったところでは輪止めやヘルメットはもちろんのこと、現場によっては荷台から昇り降りする際にハシゴを設置してもらい、そこから登り降りするというルールの現場もありました。
そして、これは法改正が行なわれたことにより変わったことですが、テールゲートリフターを使った荷物の積み降ろしの際は、講習を受けた者しか操作してはいけないことになりました。私の会社ではウイングの操作も基本的にドライバーしかやってはいけないと言われています。
ですが、場所によってはどうしても到着してすぐにウイングを操作しようとしてしまう人がいらっしゃるので、ギリギリまで運転席にある電源スイッチは入れないようにしています。入れた瞬間荷台の後ろの操作スイッチまでダッシュして、触らせないよう気をつけています(笑)。
【画像ギャラリー】様々な場所に行く配送トラックでは現場のルールもいろいろ(4枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方