スカニアが鉱山での自動運転プロジェクトを相次いで発表! 鉱山開発でトラックを自動運転することのアドバンテージとは?

鉱山での自動運転は「今」必要?

スカニアが鉱山での自動運転プロジェクトを相次いで発表! 鉱山開発でトラックを自動運転することのアドバンテージとは?
鉱石の積み込みから安全な走行ルートの選択、危険の回避、荷卸しまでトラックが自動で行なう

 こうしたプロジェクトによりスカニアは鉱山業界をより安全で、よりサステナブルで、より効率的にするというビジョンを初めて商用化したわけだが、これは時宜にかなった動きだという。

 なぜなら鉱山業界はこの数年、複数の深刻な課題に直面しているからだ。鉱山開発の安全性と環境に与える影響、膨大なエネルギー消費とそれによるコストの増大、非効率な運行と熟練労働者の不足など、業界は解決策を真剣に模索していた。

 スカニアは自動運転トラックが「効率」「安全」「持続可能性」の各側面からこれらの課題を解決すると考えている。

 効率面では車両が常に最適な経路を選択し、また一定速を保つことで燃費が向上する。世界的なドライバー不足が続くなか、危険な作業を自動運転に任せることで人員の最適な配置が可能となる。鉱山用ダンプと異なりトラックは大抵の場所を通行可能であり、鉱山の稼働率が向上、さらに勾配にも強いので全体的な輸送スピードも上がる。

 安全性に関しては、危険な場所にドライバーを向かわせる必要がなくなることが大きいが、自動運転トラックはLiDAR、レーダー、GPSなどあらゆる場所に「目」がついており、人間の認識の限界を超えて先を見通すことができる。

 さらに短距離コミュニケーションのV2X(Vehicle to everything)技術により、車両が他の交通(自動運転車、トラック、施設など)と無線で「会話」が可能だ。スカニアの自動運転システムは独立しており、車載ソフトが人間のコマンドなしで車両を動かしている。ただしコントロールルームによるバックアップや、人間によるオーバーライドも可能となっている。

 持続可能性については、道路を走っているトラックがベースなので、鉱山専用の巨大ダンプより燃料の消費量がはるかに少ない。鉱山開発が早く安価になるほか、大地へ与える「傷」も小さく自然環境のレストアも容易だ。また、車両が小型化することでよりアジャイルなアプローチも適用できる。狭い輸送路にも複数台を投入でき、電動化の準備もできている。

 ドライバー不足への対応と安全性の向上、環境負荷とコストの削減、運行効率の改善、そして電動化への備えなど、スカニアは自動運転トラックは鉱山業界の未来のために必要とされている選択肢だとしている。

【画像ギャラリー】スカニアの鉱山用自動運転トラックとその仕組み(6枚)画像ギャラリー

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