「ロードトレイン」と言えば主にオーストラリアで走っている、トレーラを複数連結した長大なトラックのことだ。この度、その自動運転化が発表された。自動運転ロードトレインは脱炭素や安全性向上など、鉱山業界を変革する可能性を秘めているという。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Mineral Resources Limited・KENWORTH・フルロード編集部
豪州名物? ロードトレインを自動運転化
2023年7月26日、オーストラリアの鉱山会社ミネラル・リソーシズ(以下、MinRes)と、スウェーデンを本拠に自動運転ソリューションを手掛けるヘキサゴンABは、世界初となる「ロードトレイン」の自動運転で記念碑的な合意に達した。
MinResは120台のロードトレインにヘキサゴンABの自動運転輸送ソリューションを導入する予定だ。
一般的にロードトレインとはけん引車(トラクタ/プライムムーバー)に何台ものトレーラを連結した車両のことで、列車が道路を走っているように見えることからこのように呼ぶ。特にオーストラリアの長大なロードトレインは、同国の道路風景を象徴するものになっている。
(ただし、欧州では日本で言う「フルトレーラ」の事をロードトレインと呼んだり、米国では多重連結トラックに別の名称があったりして紛らわしい)
世界初の完全自動運転ロードトレインは、MinResの主力鉱山で鉄鉱石の採掘を行なっている西オーストラリア州ピルバラ地域のオンスロー・アイアン・プロジェクト用のトラックとなる。
ヘキサゴンABの自動運転ソリューションにおける専門知識と、MinResの長大トレーラの運行経験を組み合わせることで、多くの利点があるそうだ。たとえば、ドライバーの疲労のリスクを軽減したり、車両の可用性向上、運行コストの低減と燃料の使用量・排出ガスの削減などだ。
MinResとヘキサゴンABは自動運転ロードトレインの試験を、オンスローでの導入に先立って同じ西オーストラリア州にあるMinResのイルガーン鉄鉱石オペレーションで2021年から進めてきた。
車両自体は試験と同じくケンワースのオーストラリア用大型トラック「T909」の8×6(4軸・6輪駆動)トラクタがベースと思われる。自動運転なのでキャブはデイキャブのようだ。グリル全面を覆うカンガルーバー(大型動物との衝突時に車両を保護するグリルガード)も同国らしい装備だ。
このトラクタと、3軸ドーリー2台を使って4軸セミトレーラ3台を連結するという合計22軸の構成と思われるが、連結全長などの詳細は不明。
コメント
コメントの使い方