投函型サービスのスペシャリスト
一方の日本郵便にとって、投函型サービスは本業であり最も得意とする分野だ。メール便「ゆうめーる」の昨年度取扱い冊数は33.5億冊にも及び、国内シェア78%を占める。これに業界2位のクロネコDM便を上乗せすると、国内シェアは97%に達する。
しかも、日本郵便の配送用二輪車(約8万2000台)や軽四輪車(約3万台)は、小型トラックよりラストワンマイル配送に適した車両といえる。今後のカーボンニュートラル化ではさまざまなEV商用車の導入も必要になってくるが、その点でも業務委託することで、ヤマト側にとっては投資を集中できる。
日本郵政の増田寛也社長は「eコマース市場で成長しているクロネコDM便・ネコポスを、我々の二輪車・軽四輪車できめ細やかにお届けすることで、大幅な増収が見込まれる。また、両社のリソースを掛けあわせることで、どのようなお客様のサービスが提供できるかも相談していきたい」としている。
今後も協業を検討
今後の協業については、ヤマト運輸の主力配送車・小型トラック(約3万5000台)の95%が搭載する温度管理機能(冷蔵または冷凍機能)を活かしたクール便の展開拡大、郵便ポスト(全国18万本)の有効活用、空港カウンターでの受発送サービス、ゴルフバッグの宅送サービス、共同幹線輸送などを検討していく予定という。
なお、日本郵政は佐川急便とも協業(佐川の投函型サービスを含む)しているが、「当社は我々のネットワークを『共創プラットフォーム』として、異業種を含む他社とタッグを組んで活用していくことを経営方針としている」(増田社長)とし、佐川との提携も深めていく方針だ。
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