普免で運転できる話題のトラック・いすゞエルフミオに新たな仲間!? 日産・マツダ向けOEM車には意外な違いも!

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「自家用ユーザー」が多い市場

日産の国内向けキャブオーバー型小型トラック最後のモデルとなったアトラスF24。積載1~1.5トンを中心とし、2トン積モデルもあった
日産の国内向けキャブオーバー型小型トラック最後のモデルとなったアトラスF24。積載1~1.5トンを中心とし、2トン積モデルもあった
マツダ タイタンダッシュ。1トン積クラスのボンゴブローニイトラックの後継1~1.5トン積モデルとして、2~4トン積クラスのタイタン(4代目)とともに2000年にデビューし、「ダッシュ」のみ2010年まで生産された
マツダ タイタンダッシュ。1トン積クラスのボンゴブローニイトラックの後継1~1.5トン積モデルとして、2~4トン積クラスのタイタン(4代目)とともに2000年にデビューし、「ダッシュ」のみ2010年まで生産された

 ……といういすゞ積載量1トン小型トラックの略史(これでも一部)は、実は本稿の前フリである。

 このエルフミオ投入を密かに期待していたのは、いすゞから積載量2~4トンクラスのエルフをOEM調達してきた、日産(1995~2012年、2021年以降の再開では1.5トン車を含む)とマツダ(2004年~)ではないだろうか。

 というのは、エルフミオのクラスはもともと、自営業などの自家用トラック(白ナンバー)ユーザーが伝統的に多い市場で、客層が乗用車ユーザーと近い。また、食品の小口配送を行なう大口ユーザーが好んで導入してきたのもこのクラスだった。そしてドライバーは基本的に普免取得者である。

 その自家用トラック市場をメインとしていたのが、日産であり、マツダだったのだ。

 しかし日産は2021年に、マツダは2010年に、それぞれ小型トラックの自主開発・生産から撤退した。撤退の理由は各社の事情によって違うが、いずれも最後まで残っていたオリジナルモデルは積載量1~1.5トン車だった。母体ユーザーには可能な限り商品の供給を行なってきた企業努力の跡でもある。

 いすゞにとってエルフミオは、当然このマーケットを視野に入れているが、いま現在も保有ユーザーがいる日産、マツダにとっても、ラインナップ補完モデルとして魅力的なクルマである。特にディーゼル車は、積載量850kgクラスの日産バネット、マツダボンゴを含めてブランクとなってきただけに、母体ユーザーのニーズに応えるポテンシャルは高いだろう。

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