日産自動車の「アトラス」トラックはいすゞ自動車からOEM供給されており、2023年にフルモデルチェンジしたアトラスF26型は、いすゞの新型「エルフ」がベースだ。
そして、いすゞがAT限定の新普通免許でも運転できるトラックとして開発した「エルフミオ」ベースの「アトラス 普通免許対応モデル」も日産から登場。免許制度の改正による運転可能な車両の限定や、運送業界で深刻化するドライバー不足などの課題解決を図っている。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
画像/日産自動車株式会社
日産・アトラスにも新普通免許対応モデル
日産自動車は2024年11月14日、「アトラス」(F26型)トラックに、オートマチックトランスミッション(AT)限定の普通自動車運転免許で運転できるモデル「アトラス 普通免許対応モデル」を追加し、同日より発売すると発表した。
日産のアトラスは、現在いすゞ自動車から生産供給されているモデルで、アトラス 普通免許対応モデルもいすゞ「エルフミオ」がベースだ。
運送業界では、免許制度の改正により普通免許で運転が可能な車両の限定が進んだことや、免許保有者の減少などにより、ドライバー不足が深刻化しており、普通免許対応モデルで、こうした課題の解決を図った。
2023年10月にフルモデルチェンジをして発売した「アトラス」(いすゞの新型「エルフ」ベース)に搭載している安全装備は、普通免許対応モデルにも搭載する。
「プリクラッシュブレーキ」をはじめ、「ブラインドスポットモニター」「車線逸脱警報」「ふらつき警報」「誤発進抑制機能」「先行車発進お知らせ機能」「車間距離警報」など、各種運転支援技術は全車標準装備で、運転時間の長い商用車ユーザーのビジネスを安全面からサポートする。
最高出力88kW(120ps)、最大トルク320Nmとパワフルな走行を実現しながらも、クラストップの燃費を実現するディーゼルエンジンを搭載した。いすゞの「RZ4E」型エンジンはエルフミオ向けに国内初導入された排気量1.9リッター・直列4気筒エンジンだが、海外向けピックアップトラックや欧州向けの「Nシリーズ」などで実績がある。
トランスミッションには乗用車感覚の扱いやすい走りを実現した6速ATを採用した。2~3トンクラスと同等の荷台寸法を維持しつつ、最小回転半径は4.4メートルと乗用車並みだ。小径ステアリングの採用やシートスライドピッチの細分化、また新設計のキャビンによりヘッドクリアランスの拡大を図ったことで、様々な体型のドライバーに対応する。
荷台高さは用途に合わせ、フラットローダブルタイヤ、フルフラットローダブルタイヤ、フルフラットローシングルタイヤの3種類から選べる。またボディカラーは、カスタム専用色のダークカーキメタリック、フリントグレーメタリックをはじめ、全5色を用意した。
代表車種(平ボデー、標準キャブ、フラットロー、最大積載量1.3トン、DXグレードなど)の全国希望小売価格は4,468,200円(消費税込み)。
商用特装車にも普通免許対応モデル
また、日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社は、アトラスF26型の商用特装車「ワークユースビークル」シリーズにAT限定普通免許で運転できるモデルを追加し、同日より日産の販売会社を通じて発売すると発表した。
こちらもドライバー不足などの課題解決を図ったものだ。
普通免許対応のワークユースビークルシリーズは、「電動ダンプ」「リヤゲートリフター付トラック(垂直式/アーム式の2タイプ)「ドライバン」の3車型だ。
ダンプは荷台を傾ける装置(ダンプ装置)を備えた車両だが、電動ダンプは荷台の昇降音が小さいため、住宅街や夜間の作業も気を遣わずに行える。
リヤゲートリフターは荷台の後部にリフト装置を備えた車両で、重量物の荷役を安全かつ迅速に行なうことができる。垂直式は横揺れが少なく安定感があるいっぽう、アーム式はより幅広い積荷をスムーズに昇降できる。
ドライバンはいわゆる箱車で、箱型の荷台を備えた車両。積荷を雨、風、ほこり、直射日光などから保護し、幌がけやロープがけの手間を省略できる。
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