進化とは転がることと見つけたり! 「タイヤの日」に思うこと

寿命を延ばすリトレッドタイヤ

 トラック・バス用のタイヤは、新品から交換レベルまですり減ったタイヤは一次寿命と呼び、すり減ったタイヤのトレッド部分だけ新しいゴムを貼付け二次、三次寿命まで使用する「リトレッドタイヤ」があり、日本でも少しずつ浸透しつつあります。

 これはトラック・バス用のみとなり、乗用車用はありません。トラック・バス用タイヤは走行距離が短い期間でかなり走るため、タイヤ本体の劣化が少なく、サイズもある程度メインサイズを製造すれば賄えます。乗用車用となるとサイズや品種が膨大な数になるのでリトレッドはないのではないかと個人的には思います。

 少し話が逸れましたが、現在使用されているタイヤは正しく処理されればサステナブルな製品なのであります。

 さらに最近では製造する素材の見直しで、廃タイヤから回収したゴムの他に廃プラスチック植物性廃棄物、包装ゴミやタイヤに配合されるものも再生カーボンブラック、ヒマワリ油、籾殻性シリカ等で製造され、以前よりさらに「再生」し易いタイヤが出回り始めています。

未来のタイヤ、エアレスタイヤ

ブリヂストンが新たに開発した月面探査車用エアレスタイヤ
ブリヂストンが新たに開発した月面探査車用エアレスタイヤ

 そしてタイヤの今後の進化で革命的なのは「エアレス」です。文字通りエアが入っていない、つまりエアが必要ないタイヤのことですが、地面との接地面であるトレッド面は従来のタイヤのゴムを使用しているようで、タイヤは空洞ではなくトレッドと車両ハブとの締結部分を強力な弾性のあるプラスチックで繋いだ一体物のイメージの構造です。

 トラック・バス用のエアレスタイヤはまだ無く(開発しているのかどうかも不明)、実用化はかなり先になりそうですが、海外で小型のバン用では既に試されているとか。

 エアレスタイヤが普及すれば、サイドカットやパンクでの低内圧走行によるタイヤの破損がなくなるばかりか、ホイールと一体の構造な為組み換え作業やエア点検、補充といった作業もなくなります。

 近年はあらゆる業界が凄まじい勢いで進化しています。現在の空気入りタイヤが今は昔となる日も近いのかも……、などと、今年の「タイヤの日」に考えてみました。

【画像ギャラリー】4月8日はタイヤの日!! プロタイヤマンがタイヤの進化について考える(4枚)画像ギャラリー

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