軽く考えてはいけない!タイヤに空気を充填する際の危険性と注意点

実際にある危ない状況いろいろ

ケージに入れられないタイヤの近傍での充填の一例。充填中にタイヤから『コン!』とか『プチ!』『ポコッ!』という音か聞こえたら直ぐに離れてください。タイヤ内部のワイヤーが切れていく音でバースト必至です
ケージに入れられないタイヤの近傍での充填の一例。充填中にタイヤから『コン!』とか『プチ!』『ポコッ!』という音か聞こえたら直ぐに離れてください。タイヤ内部のワイヤーが切れていく音でバースト必至です

 たとえば、パンクレベルで充填圧が下がっている場合。空気はゴムを透過します。

 なので定期的な点検、エアの補充が必要なのですが、例えば月一の内圧点検をエアゲージで測定した時に規定圧より減り方が100kpa以内であった場合は、パンクではなく自然漏れの可能性は高いですね。タイヤのダメージも無いと思われるので、そのままエア補充しても問題ありません。

 危ないのは急激に内圧が下がってる場合で、それを点検ハンマー等の打診点検で発見、スペア交換やパンク修理の時間が無いのでエア補充で凌ぐ場合です。

 リアタイヤのダブル、内側のエア補充は、特にタイヤの外観がわかりにくいので注意が必要です。

 では何がそんなに危ないか?

 まずはタイヤのダメージの度合いが分からないまま高圧充填すると、低圧での走行によるタイヤ内部の部材の強度低下で充填空気圧に部材が負けてバーストする危険性があります。

 もう一つは充填する作業者の場所です。

 車両からタイヤを取り外して安全囲いに入れてエア充填するのならば安全を確保できますが、ゲージ付きのエアチャックやエアチャックを手で操作をする場合は、タイヤの真横、間近での充填になりますので、バーストすれば逃場はなく、バースト時のエア圧がたとえ低圧(タイヤの規定圧に対しての)だったとしても、多くの場合、死亡事故ににつながります。

 大型トラック・バス用タイヤのサイズで規定圧まで充填しなくても、タイヤの近傍でバーストの爆風を受けた場合はほぼ助かりません。

 タイヤ専業店でのバーストによる事故や怪我は、空気充填講習、安全囲いの使用、あるいは工具メーカーさんの安全性、作業性向上させた商品づくりのお陰で減る傾向にはありますが、やはり教育の行き届いてない現場も多いのが実情です。

 トラックではないのですが、以前商用車で飛込みのお客様がスタンドでエアを補充したとのこと。

 タイヤを見るとほぼエアは入っておらず、「パンクしてるかな?」ってよく見ると、タイヤのサイド部分がボコボコになっていて、もうバースト寸前。

 我々はバーストの怖さを充分過ぎるくらい知っているので、慌ててその場でエアを抜きましたが、お客様はそのボコボコのタイヤでもエアを補充してしまったのですね。

 知らないっていうことはホントに怖いことだなとつくづく思いました。

【画像ギャラリー】TBタイヤがバーストすれば爆弾並み!! 空気充填は危険が伴うことを忘れずに(3枚)画像ギャラリー

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