アメリカントラッカー タイユーの「ルート66」 【No8】

アメリカントラッカー タイユーの「ルート66」 【No8】

アルバカーキー

テキサスからニューメキシコの州境を越えると、アメリカの背骨ともいえるロッキー山脈の最南端にさしかかり、ルート66と平行して造られたフリーウェイI-40でのロッキー越えになります。

11-0120 Fullload RT 66 NM ALBQ Map.JPG

ロッキーを越えるメジャーなフリーウェイには、北を走るI-90、ワイオミングからユタに抜けるI-80、デンバーからアスペンを抜けてユタに入るI-70とありますが、そのどれを走っても海抜1万フィート(3000メートル)以上の峠を何度も上ったり下ったりします。I-70のアスペン越えでは、1万2000フィート(3650メートル)の峠を越えていきますから、荷物を満載していると、上りも大変ですし、下りもブレーキを焼かないようにエキゾーストブレーキを最大に使って、上り以上にトロトロと下りるのですが、その上り下りが何度も続きます。ましてや冬の雪の日になると、トラック野郎泣かせの難所になります。なるべく日中、多少でも暖かく雪が融けていることを願ってプランニングするのですが、それでも要チェーンの時に毎年何度か遭遇します。ニューメキシコを走るこのI-40は、雪や砂嵐で道路が閉鎖されることがたまにありますが、他のルートとは違って、全体の海抜は7000~9000フィート(2100~2600メートル)くらいでそれほどの峠がないので、一番楽なロッキー越えルートになります。

そんなことから昔の西部開拓者も、自動車道のルート66もロッキー越えの一番楽なこの近辺が選ばれたのではないでしょうか。

ニューメキシコ州のニックネームは 「Land of Enchantment 」(魅惑の地)。砂漠地帯ではありますが、地層やさまざまな植物で織りなす景色がすばらしく、また街並みもアメリカで2番目に旧い町サンタフェを筆頭に、スペイン風やプエブロインディアン特有の赤土の壁を使ったアドービ式住宅(集合住宅)が各地に見られ、昔から芸術家が好んで住んでいました。

RT66 ALBQ _Rio-Puerco_Bridge (7) (640x480).jpg

州の一番大きな街「アルバカーキー」を過ぎると、間もなくフリーウェイ南側に「ルート66カジノ」のサインが見えてきます。もちろんこのカジノは近年にルート66を懐かしんで建てられたものですが、その反対の北側にルート66が走っていて、Rio Puerco(プエルコ川)に当時架けられていた鉄筋の橋が見えてきます。この橋は、1933年にルート66のために造られ、当時のニューメキシコで一番長かった鉄筋の橋です。1999年廃止され、現在は史跡として保護されています。

RT66 ALBQ _Rio-Puerco_Bridge (3) (640x480).jpg

橋の手前がオリジナルのルート66です。この近辺からフリーウェイ沿いの様子が、昔のルート66とインディアン居住地の雰囲気に変わってきます。なかなかの賑わいで、何度走っても周りの景色が時を忘れさせてくれ、あたかもタイムマシンに乗って西へ西へと向かう気分です。それが西部を走るルート66のI-40の醍醐味でしょうか。

タイユーさんのブログ「アメリカン・トラック野郎タイユーは走る!」のURL
  http://blogs.yahoo.co.jp/taiyuusa/

 

最新号

【特集】いすゞエルフミオ フルロードvol.56 本日(3/10)発売!!

【特集】いすゞエルフミオ フルロードvol.56 本日(3/10)発売!!

 自動車雑誌ナンバーワンの「ベストカー」が自信をもってお送りする本格派のトラックマガジン!!  今号…