鉄鋼業界のCO2削減にいすゞが協力!! 国内で初めて商用車の原材料にグリーンスチールを採用 

鉄鋼業界のCO2削減にいすゞが協力!! 国内で初めて商用車の原材料にグリーンスチールを採用 

 いすゞ自動車はこのほど、CO2排出量を削減したグリーンスチールの採用計画を発表した。商用車の原材料としてグリーンスチールを採用するのは国内初の試みだという。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真・図/いすゞ自動車、フルロード編集部、環境省

グリーンスチールの導入計画

グリーンスチールを採用する「エルフEV」
グリーンスチールを採用する「エルフEV」

 いすゞ自動車は、鉄鋼製造プロセスにおいてCO2排出量を削減したグリーンスチールを、量産車ならびに藤沢工場内で建設中の電動開発実験棟「The EARTH lab.」の一部部材として採用することを決定し、4月より順次グリーンスチールの発注を開始する。

 鉄鋼業界は、高炉での製鉄過程で使用されるコークス(主に主成分は炭素)などに起因し、国内産業部門のCO2排出量のうち38%を占めており、鉄鋼材料のCO2排出量削減は急務とされている。

 いすゞは、温室効果ガス排出量削減を積極的に推進するために、調達パートナーとの協力が欠かせないことから、このたび大手高炉メーカー3社である神戸製鋼所、JFEスチール、日本製鉄が生産する、マスバランス方式を適用したグリーンスチールを購入。バッテリーEV(BEV)小型トラック「エルフEV」をはじめとする量産車の原材料の一部への採用を開始する。

 また2026年6月の稼働開始を目指し、現在建設中である「The EARTH lab.」の主要鉄骨材には約1000トンの採用も決定した。

グリーンスチールを約1000トン使われる予定の電動開発実験棟「The EARTH lab.」のイメージ
グリーンスチールを約1000トン使われる予定の電動開発実験棟「The EARTH lab.」のイメージ

 マスバランス方式のグリーンスチールとは、現在では技術やインフラの観点で鉄鋼の低炭素化の実現が難しいことから、鉄鋼メーカーが取り組んだCO2削減量を削減証書として発行し、任意の製品に配分することで低炭素製品(グリーンスチール)としてみなす方式である。

 今回採用する神戸製鋼所の「Kobenable Steel」、JFEスチールの「JGreeX」、日本製鉄株式会社の「NSCarbolex Neutral」はいずれも第三者保証を取得したCO2排出削減量が割り当てられており、社会全体のカーボンニュートラルに貢献している。

 また、このたびいすゞは、経済産業省が日本全体でグリーントランスフォーメーション(GX)加速化させることを目的として昨年12月に創設した「GX率先実行宣言」の趣旨に賛同。グリーンスチールの採用とともに、GX率先実行宣言を行なった。

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