ジェフ・ベゾス氏といえば、Amazonの創業者で世界でも指折りの資産家である。そのベゾス氏が出資するSlate Auto(スレート・オート)からEVピックアップトラックが誕生した。価格は何と約2万ドル!!
テスラ「サイバートラック」が約10万ドルという高額な価格設定や複数のリコールもあって、売り上げ目標を大幅に下回っている現状から、にわかにスレートのEVピックアップトラックに注目が集まっている。
サイドから見ると、往年の日産サニートラックも彷彿とさせるEVピックアップトラック、果してどんなクルマなのか?
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Slate Auto
史上最も「手頃な」EVトラック
スレート・オートはコンシューマー向けの商品を提供する米国の新興企業で製造プロセスを単純化し、コストの増加を回避して信頼性を向上するため、「手頃な」トラックの実現を目指している。
(なお、米国で単に「トラック」といった場合、ピックアップトラックのことだ)
同社のCEO、クリス・バーマン氏は「手頃(アフォーダブル)という言葉の定義は壊れてしまった。スレートは自動車業界が無視してきたものを、再び消費者の手に取り戻すために存在している。合理的なトラックプラットフォームはカスタマイズ可能で、2シートのピックアップから5シートのSUVまで実現できる」と話している。
製造工程も単純化され工場ではピックアップのみを製造し、キットによりSUVへのコンバージョンが可能となる。SUVはロールケージ、エアバッグ、後部座席を備えており、これはDIYでも可能だし、注文することもできるそうだ。
DIY用のアクセサリーは豊富にそろえているといい、100を超えるアクセサリーによりニーズの変化に対応する。
バッテリーパックは52.7kWh容量で、後軸を駆動するモーターは150kW。航続距離は150マイル(240km)が標準で、アクセサリーの84.3kWhバッテリーパックは240マイル(386km)となる。
機能を絞った控え目なスペックだが重視しているのは価格設定で、米国ではインセンティブを活用すれば2万ドルを切る価格も可能な「史上最も手頃なEVトラック」になるという(余談だがテスラのイーロン・マスク氏はかねてより「2.5万ドルのEVを目指す」と発言しているが実現できていない)。
製造は米国で行ない、カスタマーセンターも米国に置く。また注文はオンラインで行なうそうだ。
現在はプリプロダクション段階なので車両スペックや価格は今後変更される可能性があるが、次のような諸元が公開されている。
寸法
全長 174.6 in (4435 mm)
ホイールベース 108.9 in (2766 mm)
全幅(ミラーを含まず) 70.6 in (1793 mm)
全高 69.3 in (1760 mm)
車内容積
(ピックアップ) 55.0 立方フィート
(SUV) 80.5 立法フィート
荷室容積 7.0/37.0/34.0 立法フィート (Frunk/bed/SUV)
重量
車両重量 3602 lb (1634 kg)
最大積載量 1433 lb (650 kg)
けん引重量 1000 lb (454 kg)
出力等
モーター リア駆動・シングルモーター
出力 150 kW (201hp)
トルク 264 Nm
0-60mph加速 約8.0秒
最高速度 90 mph (145 km/h)
充電・航続距離
オンボードチャージャー 11 kW
レベル1 AC 3.6 kW 20-100% 11時間
レベル2 AC 11 kW 20-100% 5時間
レベル3 DC 120 kW 20-80% 30分
充電規格 NACS
航続距離 150/240 mi (240/386km) (標準/アクセサリ)
燃費(米国EPAのガソリン換算電費) 96 MPGe
コメント
コメントの使い方