比較試験により最も燃費効率に優れたトラックを選ぶ「2025グリーントラック」に、ボルボFHエアロが選ばれた。GCW32トンの連結状態でドイツ南部の公道を走行し、燃費は約4.72km/Lを記録したという。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/AB Volvo
2025年の「グリーントラック」にボルボFHエアロ
ボルボ史上最も省燃費を謳う「ボルボFHエアロ」に「2025グリーントラック」賞が贈られた。独立したテストを通じて同車の優れた空力性能と効率的なパワートレーンにより燃料消費とCO2排出を削減できることが証明されたという。
毎年行なわれている「グリーントラック」は、欧州のメディアによる合同の包括的な比較試験で、最も燃費効率に優れた長距離輸送用トラックに送られる賞だ。ドイツの商業誌「トラッカー」誌と「フェアケーア・ルントシャウ」誌が主催している。
ボルボトラックスで製品管理を担当するヤン・ヘルムグレン氏は受賞に際して次のようにコメントしている。
「外部の試験により弊社の『FHエアロ』の優れた燃費性能が証明されたことを、大変うれしく思います。燃費の改善は、CO2を削減し日々の運行コストを削減することに繋がります。
運送会社の生産性向上と環境保護の両方に資する燃費の改善のため、弊社はこれからも革新・改良を続けて行きます。燃料消費はお客様の運行コストの大部分を占めるため、こうした取り組みが効果を発揮することは間違いありません」。
また、同社のロジャー・アルム社長は、「グリーントラックの受賞により、ボルボトラックスは『ハットトリック』を決めました。まず、『ユーロNCAP』による安全性評価で唯一の5つ星を獲得し、2024年は大型商用車の販売台数で(メルセデス・ベンツを超えて)欧州最大のブランドとなりました。そして、FHエアロが最も優れた燃費を実現したので、ハットトリック達成です。これらのすべてが、本当に素晴らしいことです」と話している。
ボルボFHエアロは欧州では2024年はじめに導入され、空力を改善したキャブなどにより従来のボルボFHに対して5%の燃費向上を謳っている。受賞車も搭載しているD13型ディーゼルエンジンは実績のある高効率エンジンで、省燃費パワートレーンとソフトウェア機能によりさらに燃費を高める「Iセーブ」パッケージも受賞に貢献した。
また、ミラーに代わる最新のカメラモニターシステムは安全性向上だけでなく、空力向上を通じて燃費改善にも貢献している。
「グリーントラック2025」の試験は、長距離輸送用のトラクタに24トンの3軸トレーラを連結した連結総重量(GCW)32トンの編成を用いる。ハイルーフキャブのディーゼル車が対象で、エンジン出力は390hpプラスマイナス50hp(340~440hp)。タイヤは全て新品を装着する。
ドイツ南部の高速道路、および国道の343kmのコースを実際に走行して燃費を測定し、今回、ボルボFHエアロは平均時速80.14km/hで走行した。その平均燃費は、100km当たり21.20リットル(約4.72km/L)だった。
なお、FHエアロシリーズは4つのバージョンで展開されている。ディーゼル車の「FHエアロ」、電動の「FHエアロ・エレクトリック」、天然ガスエンジンの「FHエアロ・ガスパワード」、そして大排気量エンジンを搭載する「FH16エアロ」だ。
ボルボのFHエアロシリーズ、およびFHシリーズは電気以外のパワートレーンでもバイオガス、バイオディーゼル、HVO(水素化植物油)などの再生可能燃料を利用可能で、大幅なCO2削減が可能だという。
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