ボルボ・トラックスは2024年1月29日、欧州、アジア、オーストラリア、アフリカ向けに一連の新型トラックを投入すると発表した。北米市場でのプラットフォーム刷新に合わせてグローバル市場でのラインナップも拡充するもので、同社初の電気駆動専用モデルも登場した。文・/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/AB Volvo
未来を見据え一連の新型トラックを投入
スウェーデンの大手商用車メーカー、ボルボ・トラックス(以下、ボルボ)は先日、北米市場向け大型ボンネットトラックのプラットフォーム刷新を発表しており、長距離輸送用の「ボルボVNL」をはじめ、新世代トラックへの切り替えを進めている。
新型VNLの発表に合わせてボルボは、2024年1月29日~31日にかけて、欧州、オーストラリア、アジア、アフリカのグローバル市場向けに、一連の新型トラックを投入すると発表した。既存モデルの代替え(モデルチェンジ)ではなく、ポートフォリオに新モデルを追加する形で、電気駆動専用トラックや再生可能燃料モデルも含まれている。
ディーゼル車でもエネルギー効率を向上しており、CO2排出量を削減し、2040年までに商品レンジのゼロ・エミッション化を達成するという同社の目標に一歩近づいた。
これはボルボがグローバルに展開する大型トラック製品を大幅に見直し、拡充するということを意味しており、ボルボは販売するトラックによるCO2排出量を削減するためには不可欠なステップだ。
同社の社長を務めるロジャー・アルム氏は次のようにコメントしている。
「これは大胆な取り組みです。私たちはすべての商品においてエネルギー効率とCO2排出量のベンチマークとなるクラス最高のトラックを発売します。新モデルは、2040年の『ネットゼロ』達成という野心的な目標に向けて加速するよう設計されていますが、同時にお客様には高い安全性と生産性、稼働率をもたらすトラックとなっています」。
燃費向上とCO2削減のための新グローバルポートフォリオ
グローバルなトラック市場は、主にボンネットタイプを採用する北米市場とそれ以外に分かれている。ボルボの北米向け新世代プラットフォームの先陣を切って登場したVNLは安全性を向上しつつ燃料消費を最大10%低減した。
新プラットフォームは今後数年にわたって発売されるモデルのベースとなり、電動、再生可能燃料、高効率内燃エンジンなどボルボの広範な技術を活用するという。
いっぽう、北米以外のグローバル市場にも新型トラック「ボルボFHエアロ」など、エネルギー効率に優れた大型車を投入する。FHエアロは「ボルボFH」の空力性能を向上したもので(従来のFHシリーズも継続する)、エネルギー消費とCO2排出を最大5%低減する。
FHエアロでは最新の省燃費技術を導入し、駆動システムの選択肢としてディーゼルエンジンに加えて電動、バイオガスなども用意する。ロールアウトの時期は市場によって異なり、2024~2025年。欧州など早いところでは2024年第1四半期から販売を開始する。
「弊社のお客様は世界中にいらっしゃいます。彼らが持続可能性においてどのような取り組みをされていても、CO2の削減のためには幅広いトラックを提供することが必要です。供給される『グリーンエネルギー』は市場によって異なるため、グローバルなトラックメーカーとして私たちに求められているのは、様々な脱炭素ソリューションを顧客に提供することです。
電動パワートレーンだけでなく、再生可能燃料を利用した内燃エンジンもまた化石燃料フリーの輸送を可能にするのです」。
(同氏)
この動きはボルボグループの脱炭素コミットメントにおける「三本柱」に沿ったもの。一つはバッテリー電気、一つは水素燃料電池ソリューション、そしてもう一つは再生可能燃料による内燃エンジンだ。
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