トラック開発にもAIを導入? ZFが恒例の技術プレビューを実施!

デジタルソリューションとAIの導入

トラック開発にもAIを導入? ZFが恒例の技術プレビューを実施!
AIによるZFアノテートも乗用車から大型トラックまで広く対応する

 先述の通り、車両のモーションコントロールの「cubiX」は商用車にも対応した。これは、仮想ドライバーの操作を「翻訳」して、車両のアクチュエーターに動作コマンドを伝達するもの。車載器の実装を単純化し、モーションコントロールの自動化(自動運転化)とソフトウェア定義自動車(SDV)への道が開ける。

 乗用車部門で蓄積したレーダーやカメラなどの技術を活用することができるのもCVSディビジョンの強みで、グループによる技術共有の恩恵を示す一つの例となっている。

 AI(人工知能)に関してはZFのフリート管理プラットフォーム「スカラー」の意思決定・効率改善ツールにすでに導入されているが、先進ドライバー補助システム(ADAS)や自動運転(AD)システムの開発を加速する「ZFアノテート」が世界初公開された。

 これらのシステムでは車両が周囲を正確に認識し安全な運転操作につなげるために、多数のセンサーが必要となる。例えばカメラ、レーダー、ライダー、超音波センサーなどのデータを用いて車両は3次元で環境を認識している。

 センサーデータはコンピュータに渡されデジタル処理されるため、そのデータは絶対的に正しいものでなければならない。機械学習において「グラウンドトゥルース(Ground Truth)」と呼ばれるデータだ。データの信頼性が高いほど精度も向上するが、ここで活躍するのがZFアノテートだ。

 車両が記録したデータはクラウドにアップロードされ、AIがオブジェクトをマーク・分類し、属性と一意のIDを付与する(=アノテーション)とともに、移動体を追跡する。こうしてグラウンドトゥルースの環境モデルを構築する。

 アノテーション後のデータはADASやADシステムのテストやトレーニングに活用される。類似のシステムは主に2次元(2D)のアノテーションを行なうが、ZFアノテートは3次元(3D)対応のAIソリューションとなる。

 正確なデータを得るために、これまで人間が手動でアノテーションを行なっていたが、そのために膨大な時間とコストがかかっていた。AIを導入したことでこの作業が大幅に高速化し、またクラウド上で24時間365日稼働するため、検証プロセスは最大10倍高速化し、コストは最大で80%低いそうだ。

 ZFのテクノロジー・デイは同社の技術プレビュー(事前公開)イベントで、より詳細な製品・技術等は2024年9月17日から22日にかけてドイツ・ハノーバーで開催される予定のIAAトランスポーテーション2024で発表されるだろう。

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