MANトラック&バスなどが参画し、ドイツのウルムで行なわれていた「ANITA」プロジェクトが完了した。ドイツ政府も出資し、ドイツ鉄道のコンテナ貨物ターミナル等で自動運転トラックを活用するという実証実験だ。
自動運転技術を組み込んだ業務プロセスは安定しており、最大40%の物流生産性向上が確認された。将来の物流ハブ間などでの自動運転トラックの無人運行に向けて貴重な知見が得られたという。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/MAN Truck & Bus
「鉄道貨物×自動運転トラック」の実証に成功
鉄道コンテナ輸送において自動運転トラックを活用し、物流の生産性向上を目指すドイツのプロジェクトで画期的な成果があったようだ。
これは、フォルクスワーゲンの商用車部門「トレイトン」グループに属するMANトラック&バス(ドイツ)と、ドイツ鉄道(DB=ドイチェ・バーン)、ホーホシューレ・フレゼニウス応用科学大学、ゲッティンクKGの共同研究によるものだ。
共同研究の一環である「ANITA」(鉄道ターミナル業務における自動運転車による革新)プロジェクトでは、自動運転トラックと鉄道インフラを適切に組み合わせることで道路と鉄道を連携した複合輸送により、物流の大幅な効率化が可能であることを証明した。
実証実験では最大40%の生産性向上が確認され、自動運転車を組み込んだ業務プロセスも安定していたそうで、将来の輸送は、より計画的かつ柔軟になることが期待されるという。
研究プロジェクトは、ドイツ連邦の経済・環境保護省から資金提供を受ける3か年の計画で、研究パートナーは道路から鉄道(及び鉄道から道路)へのコンテナ輸送を独立して処理できる自動運転トラックを設計した。
なお、日本では鉄道コンテナに専用規格を用いるが、欧米では鉄道用にもISO規格の国際海上コンテナ(海コン)を用いるのが一般的。このため船舶・鉄道・トラックによるインターモーダル輸送(異なる輸送手段による複合輸送)が可能となっており、本研究で扱ったのも海コンだ。
実証実験は約6か月に亘って行なわれ、ドイツ・ウルム近郊のDBインターモーダル・サービス(DB IS)のデポと、DUSSコンテナターミナル(DBグループの鉄道コンテナ積替えターミナル)で、自動運転トラックを実際の業務プロセスに組み込む試験が行なわれた。
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