トラックの安全性能をもっとわかりやすく! 欧州の安全性評価指針・ユーロNCAPが大型トラックまで拡大へ!

安全技術の標準化が重要

 大型トラックの安全機能は、その多くが実用化され市場投入されており、乗用車より潤沢なオプションが揃っている。しかし統一されていなかったり標準化されていなかったりすると、その効果は限定的だというのがユーロNCAPの考え方だ。

 実際に乗用車用の安全性評価においてユーロNCAPはオプション装着では加点せず、標準装備を求めるなど他の自動車アセスメントより基準が厳しいことが知られている。

 いっぽうで、こうした機器・機能は交通事故を大幅に低減するポテンシャルを持っており、入手性や有効性、将来的な法制化の可能性などの観点から評価を行なってきたという。ユーロNCAPがロードマップの中で掲げている技術には次のようなものがある。

・交通弱者に対する衝突被害軽減ブレーキ (AEB for vulnerable road users)
・車線維持システム (Lane support systems)
・視界補助 (Vision)
・右左折時の自転車巻き込み防止 (AEB nearside turn across cyclist path)
・前方障害物に対する加速防止 (Motion inhibit)
・追突防止のための自動ブレーキ (AEB for vehicle front-to-rear)
・ドライバーの状態モニタリング (Occupant status monitoring)
・フロントアンダーラン防止など車両構造の互換性 (Crash compatibility)
・歩行者への被害軽減 (Passive pedestrian protection)
・大型トラックの乗員保護 (Heavy truck occupant protection)

 また、大型車は道路輸送におけるCO2排出の4分の1を占めており、貨物輸送の脱炭素化も大きなテーマだ。欧州では自動車の環境性能評価「グリーンNCAP」も始まっている。

 グリーンNCAPと統合し、商用車の安全性能と環境性能を同時に評価するという提案は「魅力的」としながらも、技術的に乗用車より複雑で困難な面が多く、慎重な検討を重ねる必要があるとした。

 なお、日本の自動車アセスメントは(独立行政法人)自動車事故対策機構(NASVA)が対象車種を選定・調達した上で試験を実施しているが、(今のところ?)車種区分の「商用車」にトラック・大型車はない。事故ゼロを目指す欧州の機運が日本にも波及し、トラックのわかりやすい安全性能評価が日本でも行なわれることを期待したい。

【画像ギャラリー】安全はトラックメーカーの責務!? 最大手ダイムラーのセーフティ・ダイアログより(7枚)画像ギャラリー

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