相乗的・補完的なパートナーシップ
フリーゴンは、長年の研究とフィードバックにより開発されてきた製品で、主にラストマイル輸送の現場で使用される。ペダル付きの電動アシスト自転車+モジュラー式(交換可能な)荷台という成り立ちで、かつて日本で発展を遂げたオート三輪の現代版のような多目的車両だ。
フランスでは既に200台が走っており、中には発売直後から7年以上も愛用している人もいるそうで、信頼性と耐久性については折り紙つきだ。
クルースターの製品により電動車両のポートフォリオを補完することで、ルノー・トラックスは運送業にラストマイル輸送における効率的で革新的なソリューションを提供することを目指す。
欧州のトラックメーカーとしても、ここまで広範な電動車両のポートフォリオを持っているメーカーは他になく、貨物車モデルレンジのGVW(車両総重量)で言えば、650kgから44トンという範囲に電動車両を用意する。
また、ルノーのネットワークを通じて販売することで、得意先を共有することも提携の動機の一つとなっている。ルノー・トラックスは欧州大手のトラックメーカーとして各国で事業を行なっているので、クルースターは一流の販売・アフターサービスを最大限に活用できる。
いっぽうルノー・トラックスは、輸送チェーンの全体をカバーすることで、これまでは手の届かなかった潜在的な顧客を獲得する機会を得る。フリーゴンはトラックが停車してから先の荷物(ラストマイル)を受け持つ車両だからだ。
ルノー・トラックス社長のブルーノ・ブリン氏は次のようにコメントしている。
「電動カーゴバイクは都市部のお客様にとっては極めて重要なオプションです。なぜなら大都市には低排出ゾーン(LEZ)やゼロ排出ゾーン(ZEZ)があるからです。この提携を通じて、他のトラックメーカーとの差別化を図るとともに、現在そして将来のお客様のために、優れたソリューションを提供して参ります」
フリーゴンの信頼性・耐久性・経済性
フリーゴンの利点は道路、自転車専用レーン、歩道、そしてLEZ(ZEZを含む)にアクセスできるだけではない。小さい車体とその機動力により可能な限り配達先に近づくことができるので、物流の生産性向上も期待される。
航続距離は約80kmとなっており、その運搬コストの低さから、他の多目的車両よりコスト効率が高い。
また、同一車体(ボディ/シャシー)の荷台部分を5つのモジュールに換装できることが最大の特徴となっており、様々な用途に使用可能な汎用性を備える。モジュールは、ドライボックス(箱車)、冷凍ボックス、食品運搬、平ボディ、スキップ(ゴミ箱)の5つで、それぞれに特徴的な機能がある。
ドライボックスの積載量は、350kg(重量)/2立方メートル(容量)。冷凍ボックスはマイナス25度からプラス4度までの温度帯に対応し、カーゴバイクとしては唯一ATP認証を受けている。いっぽうスキップはダンプやコンテナなどへの荷下ろしを20秒で完了する。
こうしたモジュール化により様々な用途に適した多目的車両となっており、商品の集配送、郵便配達、個人商店での利用、廃棄物運搬、緑地管理とメンテナンス、フードデリバリーなどに対応する。
同社のCEOを務めるジェラール・テトゥ氏は次のように話している。
「ルノー・トラックスはクルースターにとって理想的なパートナーです。両社はともに人口の多い都市部で最も優れたモビリティソリューションを提供することを目指しています。この提携は両社に利益をもたらすとともに、環境目標の達成に貢献し、現在と未来のお客様のニーズにも合致するでしょう」。
【画像ギャラリー】電動三輪カーゴバイク・フリーゴンと戦前のオート三輪の画像(3枚)画像ギャラリー
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