車体側面のウイングドアとアオリを開くことでフォークリフト荷役を容易にするウイングボディ。側面開放車とも呼ばれる
大型トラック全体の約4〜5割を占める大型ウイングボディ。ベッド付フルキャブ車の場合はT11パレットを2列×8枚で16枚、ベッドレスのショートキャブ車なら2列×9枚で18枚積むことができる
中型ウイングボディは中型トラック全体の約2割を占める。幹線輸送で多用されるワイドキャブ車の場合、T11パレットを2列×5枚積載できるが、積載量がそこまで大きくないため積み荷を選ぶ
中大型トラックに比べて台数が少ない小型ウイングボディ。数が増えない要因は側面開放できるメリットが少ないためだが、決して需要がないわけではない
ウイングボディという名前の由来はドアを開いた様子が、鳥が羽根を広げているように見えるから。たしかに真後ろから見るとそのように見える
羽根は前壁と門構を渡す形で搭載。前壁と門構はセンタービームと呼ばれる梁で結合される。センタービームには、専用センタービームを設置する場合と、ウイング自体にセンタービームの役割をもたせる、大きく2つの方式が存在する
リアドアは観音ドアが標準的。物流センターのプラットフォームなどに付けて積み降ろしを行なう際に用いる
アオリはアルミ製がほとんどで、前後2分割されたものが標準的。前後のアオリを区切る中間柱を可動式として前後一体で開閉する「回転式中間柱」も普及している
ウイングボディを含むバン型車は空気抵抗が大きいが、空気抵抗は真正面だけでなく、ボディ真後ろで発生する乱流も影響している。最近はこの乱流を改善するため荷箱後部にエアロパーツを装着する車両も多い
ウイングの開閉は24Vバッテリーで電動式オイルポンプを回して油圧を発生させ、油圧シリンダーのピストンを駆動することで行なわれる。意外と複雑な仕組みだが、操作はスイッチを押すだけだ
ウイングボディに断熱構造と冷凍ユニットを組み合わせる「温度管理ウイング」。写真は矢野特殊自動車の「チルドウイングPharmaX」
鋼管組のウイング骨格に幌を張った構造の「幌ウイング」。写真はメイダイの「ワンタッチ幌Cスペック」
センタービームを右または左に寄せることでルーフ開口面積を広げた「非対称ウイング」。写真は山田車体工業の「Zフラップ」
前壁と門構にリフト機構を備える「リフト付ウイング」。写真は山田車体工業の「フルリフトフラップ」
ウイング天井部を開口した「チップウイング」。写真は山田車体工業の「チップフラップ」
ウイングサイド部を油圧可動式とした「フレキシブルウイング」。写真は浜名ワークスの「ハミック・フレキシブルオープンタイプ」
リフトウイングに重量物用テールゲートリフタを組み合わせた「2段フロアウイング」。写真は浜名ワークスの「ハミック・2段フロアタイプ」