純ディーゼルでも追求できるCO2削減

それをよく表現しているのがファイナル比だろう。欧州市場ではファイナル比を9種設定しているが、従来のドライブアクスルと同じファイナル比は2つだけで、あとはすべて新規のレシオが選定されている。
その中でも特徴的なのが「1.95」というハイギヤードなファイナル比だ。これは、わずか900rpmでピークトルクを発生する新DC13エンジン、変速機でもっとも伝達効率の高い直結段を組み合わせての高速巡航を前提としたファイナル比で、最大8%もの燃費改善が実現できるという。
「1.95」のファイナルは、欧州市場向けのカーゴ用シャシーにのみ設定されるが、低回転でピークトルクを発生するエンジン、そのおいしいところを捉えるトランスミッションで、いままでより速いファイナルを使っても力強いドラビリが得られ、しかも省燃費で運行できる、というのは新開発パワートレーンに通底するコンセプトだと思う。
CO2排出量の削減では、バッテリーEVなど電動技術が脚光を浴びる今日だが、純ディーゼルのオーソドックスなパワートレーンでも、その性能と効率は、まだまだ追求すべき可能性がある。スカニアがSUPERを冠した理由もうかがえるところだ。
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