2025年に創業90周年を迎えたUDトラックス。さる11月には、同社の前身である民生デイゼル工業が57年前に生産し、現在は上尾本社で動態保存中の大型トラック「ミンセイ6TW12」が、日本自動車殿堂から歴史遺産として選定された。1950~60年代にかけて国産トラック最強のUD2ストロークエンジンを搭載した6TWシリーズとは、いかなるトラックだったのか?
文/フルロード編集部
写真/UDトラックス、フルロード編集部
物流の大量輸送時代を予見した超大型高速トラック
日本自動車殿堂は、国内の自動車産業・学術・文化などの発展に大きく寄与した個人や車両を顕彰、後世へ伝承することを目的として、同名のNPO法人が2001年から取り組んでいる活動だ。NPO会長は藤本隆宏氏(早稲田大学教授、東京大学名誉教授)が務め、自動車各界および学界の有識者・企業が会員となっている。
歴史遺産車は2024年度までに40台を選定、2025年はミンセイ6TW12型のほか軽自動車の「住江製作所 フライングフェザー」と小型乗用車の「ダイハツ シャレード」が選ばれたことで43台となった。なお、トラックの歴史遺産車としては、これまでに「いすゞ エルフTL151型」「トヨペット ライトトラックSKB」が選定されている。
同NPOでは、6TW12型について『高度成長期の初期段階、一般道路も高速道路も未発達の当時の日本において、物流の長距離高速移動と大量輸送が訪れることを念頭に置いて開発され、各地で活躍した後輪2軸駆動の超大型高速トラック』であるとし、歴史遺産車に選定したとしている。
UDトラックスの⼩⽥原俊彦商品戦略担当専務執⾏役員は「6TWは、輸送が鉄道からトラックに移⾏するタイミングで、⽇本で初めて積載量10トン、200PSを超え、最⾼速度90km/hの⾼速⾛⾏を可能にし、ダムや⾼層ビルなどの建設において大いに活躍した。故障が非常に少なく信頼性が⾼いと評価され、以来⼤型トラックは当社のビジネスの中核となった。UDトラックスにとってDNAといえるこの象徴的なクルマが、⽇本⾃動⾞殿堂の歴史⾞部門に選ばれたのは本当にうれしい」とスピーチした。
この6TWシリーズが、当時いかに画期的だったかをもう少し掘り下げてみよう。


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