純ディーゼルでもCO2は減らせる!! 大型トラック「スカニアSUPER」の新開発パワートレーンを探る!

個別開発ではなく一体開発で

スカニアが「オプティクルーズ」と呼ぶAMTもギアボックスを一新。従来と同じく14段だが、クローラ1段+前進12段+オーバードライブ1段の構成となっている。ギアボックス潤滑にオイルスプレーを採用してミッションオイルの掻き上げ抵抗をゼロとし、また油量の最適化で軽量化も図っている
スカニアが「オプティクルーズ」と呼ぶAMTもギアボックスを一新。従来と同じく14段だが、クローラ1段+前進12段+オーバードライブ1段の構成となっている。ギアボックス潤滑にオイルスプレーを採用してミッションオイルの掻き上げ抵抗をゼロとし、また油量の最適化で軽量化も図っている

 AMT(スカニアの商品名は「オプティクルーズ」)は従来、マニュアル変速機をベースにレイシャフトブレーキを組み込んでいたが、新たにAMT専用構造のギアボックスを開発した。併せて、ギア構成もクローラ1段+メイン12段+オーバードライブ1段の計14段とし、レシオカバレッジも拡大、従来よりワイドレンジ化された。

 リアの駆動軸も新開発だ。ベアリングの低フリクション化やギア潤滑の最適化で伝達効率をアップしており、併せてハウジングの軽量化も行なわれている。

 ところでほとんどの自動車メーカーでは、エンジン、トランスミッション、ドライブアクスルの開発は、それぞれ個別に行なわれている(外部調達の例も多い)。しかしスカニアでは、これらを一体として開発しているのが特徴だ。その理由は、コンポーネントごとに開発されたものを持ち寄っても、新型車が狙う性能やドラビリを達成することはできないからだという。

 端的な例が、エンジンの出力/トルク/燃費の各特性、トランスミッションの各段ギアレシオとステップ比、ドライブアクスルのファイナル比である。これらはパワートレーン全体で最高のパフォーマンスを引き出せるよう、イチから見直された。

スカニアSUPERの新型ドライブアクスル・R756型。こちらもギアの潤滑を最適化、またハウジング構造の見直しで軽量化も達成している
スカニアSUPERの新型ドライブアクスル・R756型。こちらもギアの潤滑を最適化、またハウジング構造の見直しで軽量化も達成している

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