24時間体制のサービス拠点
チココル支店に併設されるサービス部門は、なんと24時間営業である。インドネシアでは、1台のトラックが、ドライバーを交代させつつ1日中稼働していることも珍しくないため、高速インター近くの営業拠点では、突然のトラブルに対応できるよう24時間サービス体制を導入している。2億人という人口が年々さらに増加中で、国民の平均年齢は29歳、これからの経済成長が期待される「働き盛りの国」ならではだろう。
サービスフロントも同じ建物にあるが、受付はショールームとは別にあり、その2階にはサービス待合室と礼拝室(インドネシアはイスラム教徒が8割以上)、仮眠室、シャワー室がある。待合室にソファとテレビ、雑誌類、喫煙スペースがあるのは日本の大型車ディーラーも同じだが、飲み物に加えてカップ麺やスナック菓子などの軽食類も提供している。
窓のない部屋にベッドが2つという仮眠室は予約制で、メンテナンスまたは修理中にドライバーは就寝しておき、完工したら即稼働という運行スタイルで利用されるという。その場合の就寝時間はだいたい4~5時間くらい。1時間ほどの文字通りの仮眠に利用する例もあるとの話だった。
サービス工場は、小型車用9ストール・大型車用9ストールという充実したもので、部品デポや工具保管庫、エンジン分解・組立用の設備もある。日本と大きく異なるのが、サービス工場の建屋が屋根のみの開放式で、地下ピットや整備用リフトもない点だ。これらは高温多湿という環境で、水害も多いこと、過積載が常態化しているのでリフトが使えないといった理由があるためらしい。
信頼を高める出張サービス
また、チココル支店では、「モバイル・ワークショップ」と呼ばれるサービスカーを2台を配備している。
モバイル・ワークショップは、キャンターベースとL300ベースの各1台で、コンプレッサと発電機、整備工具、補修部品などを積み込み、出張メンテナンスや現場での応急修理などが行なえるクルマである。
日本でも、以前から大型車ディーラーやロードサービス業者が同様のサービスカーを導入する例はあるが、道路整備が行き届いていないインドネシアでは、特に手厚いアフターサービス施策として認識され、より高い信頼を得ているという。そのため、競合メーカーでもこれに倣うところが現れはじめている。
スリカンディ社によると、複数の大手フリートユーザー(保有数千台で毎年数百台単位の代替需要がある)との間で「戦略パートナーシップ」を締結しているが、特にプランテーション(大規模農園)など遠隔地で運行しているフリートに対しては、「ユーザー専用モバイル・ワークショップ」を提供するなど、より踏み込んだ取り組みを進めているとのことだった。
【画像ギャラリー】ジャカルタ首都圏のトラックディーラーはこんな感じです(10枚)画像ギャラリー
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