めったに訪れることのない新車トラックディーラー、それも日本ではなく海外のそれなどまずありえないのが普通だが、このほどインドネシアの新車トラックディーラーを取材する機会を得たのでレポートしたい。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
インドネシアの優良販売会社
取材したのは、PT.スリカンディ・ダイアモンド・モータースという新車ディーラーで、三菱ふそうブランドのトラックと三菱ブランドの小型車を販売している。
ジャカルタを中心にジャワ島・カリマンタン島で47の営業拠点を展開、そのうち30店舗でふそう車を取り扱っているが、インドネシア国内で販売されるふそう車の16~17%が同社で販売されるというから、その販売力の高さがうかがえる。
訪問したチココル支店は、ジャカルタ首都圏(ジャボデタベック)の西部に所在する販売拠点で、東京都心からみたときの距離感と雰囲気は、府中や浦和の国道沿いといった感じに近いかもしれない。
日本の大型車ディーラーとは違うムード
ところで、日本の大型4社のディーラー営業拠点は、お客用の玄関を入ると「どこかの会社のオフィスに来てしまった」(実際にそうなのだが)という印象で、ショールームにカフェテリアのごとく商談テーブルが並ぶ乗用車ディーラーとは、まるで雰囲気が違う。
いっぽう、4階建てのチココル支店は、1~2階がガラス張りで吹き抜けのショールームになっており、受付カウンターやキッズコーナーまである待合室など、ほとんど乗用車販売店のような店舗となっている。もちろん隅々まで清掃が行き届いている。
これは、同国では個人のトラックユーザーが多いからだ。チココル支店では、ふそうの小型トラック「キャンター」と中型トラック「ファイターX」に加えて、三菱の小型商用車「コルトL300(デリカトラック)」なども取り扱っているが、特にL300とキャンターは、個人ユーザーがかなり多いためである。営業スタッフも、フリートユーザー・個人ユーザーでそれぞれ5人ずつ配置しているとのことだった。
ちなみに筆者は、10年前にもスリカンディ社の別の営業拠点を訪れたことがあるが、そこも吹き抜け式ショールームのある店舗スタイルで、L300×2台と同じく三菱の「L200(ストラーダ」)、軽トラック「コルトT120SS」(スズキ・キャリイのコンポーネントを使った現地生産車。現在は生産終了)の4台を展示していた。やはり個人ユーザーがメインのモデルである。
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