首都高利用料金値上げのあらまし
で、実際にどれくらいの値上げになるかと言いますと、これがチョットややっこしい(笑)。
首都高のWebサイトによると、「中型車および特大車を除くETCのお客さまは、料金距離35.7km以内をご利用になる場合、現行の基本料金から変更ありません。料金距離35.7km超をご利用になる場合は、急激な負担増を避けるため、新たな上限料金(普通車1,950円)を設定します。」となっているんですね。
海コンって、トレーラヘッドのみで走る、いわゆる「アタマ」の状態と、トレーラ(シャシー)を引っ張って走る、「ケツ」を引っ張った状態の2種類があるんです。
アタマの状態で首都高を走った時は、車種としては「中型車」に分類され、一般的な2軸(シャシーを真横から見た時、タイヤが2つの状態)または3軸(シャシーを真横から見た時、タイヤが3つの状態)のケツを引っ張った状態だと「特大車」に分類されます。
ちなみに、アタマが2軸+ケツが1軸の状態のトレーラは、「大型車」に分類されるんで、「特大車」より安く高速を走れるんですけど、自分が所属している会社には、2軸と3軸のシャシーしかないし、エアサスの機能で1軸になるシャシーもないので、そこについては考えないことにします。
首都高の発表によると「中型車および特大車を除くETCのお客さまは……」と書いてあるので、自分ら海コンに関しては、距離の短い区間を走ったとしても、全区間で値上げになるんですね。
では、どれくらいの値上げになるかと言いますと、
■中型車
・310円〜1410円(現行)
↓
・330円〜2310円(新料金)
■特大車
・460円〜2650円(現行)
↓
・550円〜5080円(新料金)
となりまして、値上げ幅は、中型車で20円~900円、特大車で90円~2430円となります。
例えばですね、横浜の南本牧ふ頭から首都高に乗って、埼玉県の与野で降りた場合、現行だと特大車で2650円……なんですが、特大車と大型車に関しては、「環境ロードプライジング」、略して「環プラ」と言う割引制度がありまして、高速神奈川1号横羽線(K1)の「浅田~大師」の区間を走らず、高速湾岸線(B)の「大黒ジャンクション~川崎浮島ジャンクション」の区間を走れば、いくらか安く走れます。
要は、「大型のトレーラとトラックは、横羽を走らないで、湾岸のベイブリッジとかつばさを走ってね。その代わりと言っちゃなんだけど、少し安くするからさ」って制度ですね。
なので、南本牧ふ頭から首都高に乗って、高速湾岸線(B)の横浜ベイブリッジや鶴見つばさ橋、高速中央環状線(C2)の山手トンネルなんかを経由して与野で降りると、260円お得な2390円となります。
これが、4月1日からの新料金になると、南本牧ふ頭から与野まで特大車で5080円。「環プラ」の割引が入っても、510円お得な4570円となります。
ってことは、「環プラ」の割引が入ったとしても2180円の値上げとなります。
これだけ見ると、「へ~、最大で高速代が2500円くらい上がるんだぁ」って感じなんですが、そー単純なハナシでもないんです。
海コンの場合は、コンテナを引っ張って港を出発して、配達先に持って行きます。
そこで、輸入の場合はコンテナの中身を全て出してもらい、輸出の場合は品物をコンテナの中に詰めてもらいます。そのコンテナを引っ張って港に戻って、これで一つの仕事が完了となります。
つまり「港→配達先→港」ってカタチになりますから、往復をしなければならないんですね。
そー考えると、首都高 南本牧ふ頭と与野の間を往復するような場合、基本料金で高速代が1万0160円、「環プラ」の割引が効いても9140円ってことになります。
一つの仕事に対して、基本料金で4860円、「環プラ」が効いた状態で4360円の負担増となりますから、運送会社にとっては、なかなかの負担ですよねぇ。
しかし、一運転手として考えれば、毎日のように南本牧ふ頭と与野の間を往復しているワケではなく、その日に付けてもらった仕事によって、行き先も違えば走る道も違うので、全ての仕事に対して、これだけ負担が増えるワケではないんです。