冬期における転倒防止のための4つの留意点
厚労省は冬期の転倒災害防止に向けて留意点を4つ挙げている。
1.天気予報に気を配る
2.時間に余裕をもって歩行、作業を行なう
3.駐車場の除雪・融雪は万全に、出入口などにも注意する
4.職場の危険マップ、適切な履物、歩行方法などの教育を行なう
寒波が予想される場合の周知、余裕のある作業時間の確保、除雪や夜間の照明設備などは事業者が行なうべきものだが、いっぽうで自分自身で対策できるものもある。
長距離トラックの場合などは現在地に加えて、これから向かう地域の気象を把握し、現地の天気に気を配ることだ。
特に最低気温がマイナス2度を下回ると、急激に転倒災害の発生リスクが高まるという分析結果がある。積雪や凍結のリスクを知ったら早めに(出発前に)対策をとる。
冬タイヤに履き替えるように滑りにくい靴に履き替えを!
また、冬期にはトラックのタイヤを冬タイヤに履き替えるように、滑りにくい靴(耐滑靴)に履き替えることも効果がある。ただし、耐滑靴にも水・油用の耐滑靴、氷上用の耐滑靴、粉体上の耐滑靴などがあり、市販されている耐滑靴の多くは「水・油用」だ。
したがって、冬期の屋外使用では、靴の耐滑性にも注意が必要となる。雪や氷の上で使用できることを確認するとともに、滑りやすい路面では荷の運搬方法や作業方法を見直し、歩く歩幅も小さくするなど歩き方にも気をかける。
トラックドライバーの労働災害というと、多くの人は「交通事故」を思い浮かべるが、割合でいえば全体の5%にすぎず、大部分を占めるのは荷役作業時の墜落や転倒だ。その中でも、雪や凍結など天候に起因するものが約8%ある。
トラックの安全装備が充実し、交通事故が年々減少するなかでも、交通事故以外の労働災害が減っていないのは残念な事実だ。労働災害の4分の1を占めるという転倒災害の予防は、トラック運送の未来を確保することでもある。
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