ハートを掴まれてしまう走り

下りでは、補助ブレーキの頼もしさも実感した。「420G A4×2LA」には、排気ブレーキと圧縮解放ブレーキ(CRB)を装備しており、右コラムレバーで4段の制動強さが選べるが、GCW36トンでも2~3段で充分な制動力を発揮するくらい強力で、4段では強烈な減速Gを感じさせるほど。ブレーキペダルは停止前に踏むくらいで済んでしまう。
乗り心地は一貫してフラットである。前輪リーフサスの剛性感は高く、頼もしくクルマを支えるが、ハーシュネスはドライバーに届くまでにかなり丸められている。キャブサスはショックアブソーバ付4点支持型で、振動を効果的に遮断しつつシャシーとの一体感も高いという優れものである。
しかも、シャシーの優れた直進性や、操舵に対してソリッドに応えるかのようなハンドリングと相まって、単に運転しやすいというだけでなく、走りが楽しいとさえ感じさせるところがある。
キャビン自体の気密性と遮音性・制振性も高い。エンジン音は聞こえるものの、静かでリラックスできる運転環境である。今回は高速道路を走行しておらず、わずかに60km/h定速ができたくらいだが、NTGデビュー当時に味わった高速巡航の快適さと気持ちよさは「420G A4×2LA」でも同じ、あるいはもっと良くなっているだろうことが容易に想像できる。
スカニアSUPERの基本性能と走りのクオリティは、間違いなく高いレベルにあると思う。以前からスカニア車に魅了される職業ドライバーが多いというのも納得だが、新開発パワートレーンのSUPERは、さらにそのハートをしっかり掴んで離さないのでは……と感じさせるのに充分だった。
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