いすゞエルフミオ公道試乗レポート!! AT限定普免で運転できるディーゼルトラックの実力を探る

誰でも運転できる「本格派の」小型トラック

標準幅シングルキャブ・標準ボディ・フルフラットローの平ボディ完成車は、2トン積エルフでももっともスタンダードかつ売れ筋のスタイル。エルフミオは最大積載量1.25トンに留まるが、実は荷台サイズそのものは2トン積と同一なのである
標準幅シングルキャブ・標準ボディ・フルフラットローの平ボディ完成車は、2トン積エルフでももっともスタンダードかつ売れ筋のスタイル。エルフミオは最大積載量1.25トンに留まるが、実は荷台サイズそのものは2トン積と同一なのである

 Dレンジからシフトセレクターをドライバー側へ寄せればマニュアルゲートへ入り、ギア位置を固定して走りたい時や、緩制動で減速チェンジを使いたい時に便利である。小排気量エンジンゆえに、2トン積エルフのような補助ブレーキ(排気ブレーキ)は付かないが、その代用として減速チェンジは有効で、しかも使い勝手がよかった。
(ちなみにこれを操作しているとき、いすゞ唯一の自社開発ワンボックスカー「ファーゴ(初代)」のディーゼル4速A/T車が、コラムレバーでオーバードライブ(4速)のON/OFFを操作でき、排気ブレーキ感覚で便えたことをふと思い出した。)

 さて、都内で乗り回したエルフミオからは『よりポピュラーに仕立てられたエルフ』という印象を受けた。そもそも2トン積エルフは、先代の時点でも乗りやすい小型トラックで、決して敷居の高いクルマではなかったが、エルフミオはさらにガソリンATまたはCVTの乗用車しか知らない人でも、あまり違和感なく運転できるであろうドライバビリティに仕上げられている。

 そして、このクルマはやはり「いすゞエルフ」の紛うことなき一族である。実はキャビンだけでなく、ラダーフレームシャシーも2トン積エルフ(NJR系)と共用で、それに車両総重量3.5トン未満という車格に最適なパワートレーンを組み合わせたのであって、決して軽薄なつくりではないことは、積載状態でのしっかりした走りからうかがえるところだ。AT限定普免ドライバーにとって扱いやすい仕立てでも『本格派の小型トラック』の本質はそのまま、というのがエルフミオの真価である。

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【解説&試乗】日野プロフィア2024年モデル フルロードvol.55 本日(12/10)発売!!

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今号では、昨年2月中旬から出荷を再開した日野プロフィアの2024年モデルに試乗。燃費性能と安全性能もアップし、新設計AMTで走りも別モノに進化した新モデルの実力に迫ります。また、「だれでもトラック」いすゞエルフミオEVの公道試乗を実施。AT限定普通免許で運転できるEVトラックの魅力をお伝えします。大好評の「働くクルマの大図鑑」は、飲み物を運ぶその究極のカタチ「ボトルカー」を特集しました。ボトルカーの構造から製造工場のレポート、知られざる歴史、さらにはeキャンターのボトルカーの試乗レポートまで盛りだくさんの内容になっています。