積雪地域では2トン積み小型トラック4WDがポピュラーな存在だ。三菱ふそうの「キャンター」もそのひとつ。しかしお馴染みのクルマなのに、4WDは運転したことがない。というわけで2024年モデルのキャンター4WDに試乗した。(本記事はフルロードvol.59収録記事の再編集版です)
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
小型トラック4WDのパイオニア

現在、小型トラックには4WD車型が必ず用意されている。その中でもキャンターは、パイオニアとなるクルマだ。
今から40年前の1985年10月、5代目のキャンターがデビューした。キャンター4WDが誕生したのは、それより2ヵ月後の12月で、特筆すべきは、もっともオーソドックスな平ボディを架装した4WDカーゴ車型を、日本で初めて設定していたことだ。(※注1)
最初のキャンター4WDは、副変速機付のパートタイム方式で、シャシーは高床のみだったが、この5代目の途中でより荷役性に優れた全低床シャシー(低床でタイヤが前後同径のタイプ)も追加した。
90年代に4WD技術の多様化が進むと、乗用車でオンロードメインの『日常四駆』が一般化するが、6代目キャンター(1993年デビュー)でも96年、4WD全低床シャシーに小型トラック初となるビスカスLSD付センターデフ式フルタイム4WD方式を採用。2WD全低床と同等の低い荷台高と、扱いやすさを実現したことから、2000年代以降キャンター4WDの主力となっていく。(※注2)
このように、キャンターは小型トラック4WDの先駆者であり、2020年に9代目へ移行した現行モデルもフルタイム4WD路線を維持している。
※注1:1985年に誕生していた小型トラック4WDはもう1台あり、マツダが9月に「タイタン」のダンプ完成車で設定した。厳密にはこちらが最初だが、あくまでダンプのみでの扱いで、汎用物流車であるカーゴ系はキャンター4WDが最初だった。タイタン4WDのカーゴ車型が現れるのはこの1年後である。
※注2:ライバルのいすゞ「エルフ」では、1995年にビスカス式トルクスプリット型パートタイム4WD方式を採用した。方式は違うものの、いすゞと三菱自工がほぼ同時に小トラの日常四駆化を進めていたことになる。当時3強の一角だったトヨタ「ダイナ/トヨエース」の日常四駆化(ビスカス式トルクスプリット型パートタイム4WD方式の採用)は、日野「デュトロ」のトヨタ向けモデルとなってから5年後の2004年だった。

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